2022年4月25日月曜日

紀伊山地、大峰山系弥山(1895m)八経ヶ岳(1915m)に行者還トンネル東口から登る。(2022年4月20日)

 2022.4.20

京都にゆく用事があり、関西の百名山にチャレンジすることにした。

関西の山々は中途半端に遠く、なかなかチャンスが訪れなかった。

多少厳しい日程であるが老骨にムチ打ち敢行。

Day1:大峰山(弥山、八経ヶ岳)(2022/4/20):11km、1200mの登山

Day2:大台ヶ原(2022/4/21):7km、400mの登山
http://chibira-tamy.blogspot.com/2022/04/2022421.html

Day3:伊吹山(2022/4/22):8km、1000mの登山
http://chibira-tamy.blogspot.com/2022/04/13772022422.html

Day4:荒島岳(2022/4/23):9km、1200mの登山
http://chibira-tamy.blogspot.com/2022/04/20220423.html


今日はDay1大峰山。

一番楽なコースである国道309号の行者還(ぎょうじゃかえり)トンネルの西口にある有料の駐車場からの登山計画にした。一か月以上も前から計画し、事前調査を実施。この経路は、4月9日まで冬季閉鎖される。登山日まで10日も余裕があるので高をくくっていた。ところが出発2日前に念のために確認するとなんとトンネルの西側の天川村で斜面崩壊、道路が閉鎖中。次の最短コースが、トンネルの東側からとなる。事前に気が付かなければ、1km先の東口に行くのに巨大な山地を100km以上も迂回するという悲惨な事態に陥っていた。

東側には駐車場らしき物はなく路駐をするしかない。登山客が多ければ、駐車スペースがなくなるので、予定を早めて、前泊地の京都を朝3時半に出発。

吉野を過ぎて、国道169号をひたすら南下する。ほとんど人家もない山間部である。奈良県の山の深さは恐るべしである。イメージとして持っていた奈良市周辺の小高い山々と訳が違う。国道169号から、いよいよ309号に入る。国道であるが基本1車線である。気が付くと、ナビの道路が赤く染まっている。大量の登山者が押し寄せているのか?と焦りまくっているとやがて事情が明らかになってきた。

写真撮影の路駐の車が原因であった。ちらちら谷向うの山肌を眺めると山桜のピンクがスポット的に山肌を染めている。”これは奈良の桜風景だ!!” 

写真スポットを過ぎると、トンネルまで行き会う車もない。とんでもないカーブをいやになるほどハンドルを切って、グングン高度をあげる。やっとトンネル東口に到着。高度は1100mになる。もうすでに5~6台の駐車がある。空きスペースに駐車をしていよいよ登山開始。

登山地図には悪路と書いてある。西口からのルートに比べて往復1時間余計にかかる。古い林道を少し下ると一の峠(たわ)向けてののぼりが始まる。大変な急斜面の道がいきなり始まる。

左手に植林を見ると大きな杉が大量に間伐されて苔むしている。もったいない。

ジグザグに急坂を登ってゆく。赤い木肌のヒメシャラが目立つ。ところどころ広い尾根道になっているが気を付けて通過すれば迷うことはない。

あえぐこと1時間で、やがて背の低い笹原があらわれてきた。それにつれて勾配も次第に緩やかになってくる。一ノ峠(たわ)で大峰奥駆道といわれる縦走路に合流。ここまで1時間弱。


行く手の尾根道の向こうを見上げると、おおらかに広がる弥山と横にちょこんと鋭い頂を見せる八経ヶ岳。初めて姿をみる。

ここで小休止。

ここからは、小さなアップダウンを繰り返してゆく。背の低い笹原の気持ちのいい尾根道である。歩くこと20分、ほぼ高度を稼ぐことなく奥駆道出合に到着。ここはトンネル西口からの合流ポイントである。西口からのルートは1時間ほど短い。

ここから又のぼりが始まる。ただし、とんでもない急坂ではない。100mほど登るとなだらかな広いピーク(弁天の森)を越える。50mほど下る。大したことはないが、帰りを考えるといやになる。

雪が少し残る広い鞍部まで降りてきた。

いよいよ弥山に向けて最後の登りである。岩だらけの道あり、木の階段あり、苦しい苦しい登りを約1時間。登山路の雪が多くなってきた。誰かが踏み抜いた穴が開いている。踏み抜くと体力的に堪えるので、何とか避けたい。慎重に進むと、木の向こうに屋根が見えてきた。

弥山小屋である。面倒なアイゼンをつけずに登ってこれた。

立派なベンチが沢山あり、ザックをほっぽり出して昼食休憩。最近は、パンを持ってくることにしている。今まではおにぎりが多かったが、重いのと、寒い時期だと、ボロボロで食べにくい。その点パンは食べやすい。

頂上は平べったいおおきな広場になっている。弥山小屋は実に大きく立派であるが残念ながらまだ開業前である。

平べったい丘の上に弥山神社がある。そこが弥山の頂上。立派な神社である。参拝する。

八経ヶ岳に向かうことにする。60~70m下って100m登るイメージ。直線距離約700m。往復約1時間。荷物は置いてゆく。

歩きやすいとは言えない登山路である。ほどなく八経ヶ岳頂上。八経ヶ岳(1915m)は関西で最高峰。こちらの方が、眺望に優れる。ただしカスミがかかっていて今一つ残念。

休憩もほどほどに折り返すことに。

弥山で荷物を拾って下山開始。

毎度ながらの感想は、”よくぞ登ってきたなこの長丁場!!”下山の方が長く感じられるのはいつものこと。

行者還トンネルまで帰り着くと工事業者の人が、トンネルの入り口の扉を開けて作業していた。覗き込むと、トンネル向うがうすぼんやりと半円形で見えていた。向うから登れば、1時間得したのに・・・・

トンネル周辺の山桜は今が盛り。ピンクの何とも言えない色合いで存在感を示していた。今まで見たことが無いような山桜であるが、品種が違うのであろうか?

大峰奥駆道は、吉野と熊野を結ぶ全長80kmにおよぶ一大トレールである。昔はあちらこちらに宿坊があった由。そういえば今日登った登山道にも宿坊跡があった。修験道の僧にこんな山奥で、サービスを提供する体制も含めるとそれなりの産業が成り立っていたんだろうと思うと、感慨深いものがある。古の日本人、おそるべし。

みたいなことを考えながら本日の宿に向かう。

下北山村が運営する湖畔の山の上に建つバンガロー。

3500円で、3~4人のバンガローを一人で使える。寝具、エアコンつき。600円の温泉券もついてくる。チェックアウトは、早くてもOK。部屋にキーを残しておくだけ。さらにWiFi付きを忘れてはいけない。

他には客がおらず、広いバンガロー村を一人で占有。

窓から見下ろせば、ダム湖の水面。

早々と就寝、携帯でYouTubeを見ているといつの間にか眠り込んでいた。






国道を少し歩く。



トンネル手前で古い林道に入り20~30m下る。トンネルは工事で閉鎖されている。


林道わきに登山口発見。一の峠を目指す。


とてつもない急斜面に付けられた道を登り始める。



1時間ほど登ると笹に覆われた緩斜面になる。



大峰奥駆道に合流。ここは一ノ峠(たわ)。



はるか向こうにとんがりの八経ヶ岳と弥山が見えた。弥山の頂は平べったい!!



上北山中学校へ道が続くみたい・・・



しばらくなだらかな尾根道が続く




出合に到着。ここはトンネル西口からの合流地点。

西口方面は通行止め。


出合から、道幅が急に広くなった!



出合から100mほど登った弁天の森到着。

聖宝の宿跡に到着。傍らには理源大師が優しく微笑む。

木の階段。歩きやすい・・



道はいよいよ険しくなってきた。

次第に眺望がよくなってきた。

名も知らぬ峰々が幾重にも重なる。





登山道が雪で覆われるようになってきた。

弥山小屋の屋根が見えた!

ずいぶんと新しく立派な小屋である。残念ながら開業前。

一部が避難小屋として開放されている。寝具もある。

歩いてすぐの頂上にある弥山神社にお参りすることにした。


ゆるやかな参道の鳥居を抜ける。

想像以上に立派なお社に参拝。

振り返ると八経ヶ岳がちょこんとそびえる。




針葉樹の林間を抜けて八経ヶ岳に向かう。

やってきました近畿最高峰八経ヶ岳1915m!

振り返える弥山。平べったい頂を持っている。

大普賢岳方面も春霞の中。

南を伺う。これは釈迦岳か?

紀伊山地は広大である。



八経ヶ岳頂上付近は白骨林。



論所ノ尾のつつじ。登りの時には気づかなかったが淡いピンクが印象的で慰められる。


論所ノ尾にはヒメシャラも多い。赤い幹が森の中で異彩を放つ。

登山口帰着。トンネルの入り口が開けられ工事作業中だった。
300番台の国道にしては道幅が広く路駐をしても車は通れる。

ここが今日のお宿。池原貯水池湖畔、下北山村のバンガロー。WiFiアンテナが軒先にぶら下がっている。








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