2023年10月30日月曜日

突然の雷雨に見舞われた久慈男体山(2023.10.28)

 2023.10.28

気温がずいぶん下がってきているので、クモの活動は低下しているはず。(夏に登るとクモの巣だらけになる)久しぶりに久慈男体山に登ってみた。

滝倉のトンネルの入り口付近に駐車をして、急な旧道跡を登って行くとすぐに古びた鳥居がある登山口に到着する。

いきなり急な登山道が始まるがしばらく我慢をしているとやがて緩やかになってくる。

すると久慈男体山の本峰が見上げる形で見えてくる。

そのままほぼ水平に進んでゆくと健脚コースに合流する。そこから少し登ると大きなモミジの木が林立する”モミジ谷”に到着する。この時期、モミジは完全に夏仕様のまま。紅葉にはあとひと月ほどかかると思われる。

ここでしばし休憩。

困ったことに、雨がぱらつき、しかも遠くの方で、雷の音がする。雨の時間が1時間くらいあるとの天気予報を見てきたが、雷雨の話は聞いていない。あたりはまだ明るいので、健脚コースを上がった尾根にある東屋に急ぐことにした。

先ほど抜いていった女性の登山客があきらめて降りてきた。聞くと最近この辺りで、滑落死の遭難があった由。少し心配になるが登りを継続。

このコースは急なのぼりで有名である。久しぶりの急登を急ぎ急ぎ登ること30分。息が切れ、心臓が早鐘を打つよう。足の筋肉も疲労が激しい。

再びパラパラとしだしたころ、Just-in-timeで東屋に到着。荷物を下ろす間もなく雨脚が強くなってきた。風がまだ余り強くないのでラーメンを作って食べる。

ラーメン昼食をしていると、驚くことに二人の登山者が避難してきた。あたりはますます暗くなり、風も強くなってきた。

気温も急降下。汗をかきかき登ってきたからだが震えだす。慌てて持ってきた防寒着と雨カッパを着装。

至近距離で、雷の爆音が聞こえる。以前日光男体山で遭遇した雷ははるか下の方で聞こえたが、ここはそんなに高度が高くないためか上のほうでなっている。

それでも1時間もしないうちにあたりが明るくなってきた。

後から来た二人は、雨の中下山をしていった。

こちらも頂上の神社に参拝して下山する。

頂上から見る下界は、谷々には、霧が充満している。まるでモノクロの写真をみているようであった。

麓の男体山神社に着くころには、気温も上がり、カッパの中は汗だらけ。


ブナが少し色づいているのみで、本格的な紅葉にはまだ時間がある。


モミジ谷を上がった尾根から見る本峰。空が暗くなってきた。




小降りになった頂上から見る下界


谷筋には霧が充満している。



頂上神社で参拝




長福から見上げる本峰。色づきは一部。


林道の傍らにはアジサイの花(?)

2023年10月21日土曜日

【妙高連峰登山:Day2】高谷池から黒沢池を経て、妙高の急登坂路を上る。(2023.10.18)

 2023.10.18

長らく気になっていたが、なかなかきっかけをつかめないでいた新潟・妙高連峰への登山をいよいよ決行。二日目。

今日は、高谷池ヒュッテ(2100m)から、黒沢池ヒュッテ(2000m)に行き重い荷物をデポ、妙高山(2454m)まで往復し、富士見平経由で笹ヶ峰登山口に帰る行程である。累積登高800m、歩行距離12㎞の山歩きになる。いささか体力が心配である。

 高谷池ヒュッテの2階で目が覚めた。いつも山小屋では起床時間より前に目が覚めるのが常であるが、なぜか今日は、ぐっすり寝込んでしまった。

5時になり、電灯が灯されると途端にあたりでガサゴソと準備が始まるが早立ちの登山客もいて寝床はすでに空っぽ。

5時半から朝ごはん。どんぶりいっぱいの中華丼。あまり食えないと思いながらも完食。

予定通り6時に小屋を出発。外気はさほど冷たくない。ちょうど0℃であるが風がない。黒沢池に向けて木道を歩き始めるが、すぐに泥道になってしまう。土壌には大量の水分が含まれているようで、霜柱が凄く長い。ザックザックと踏みしめる。ありがたいことに滑らない。

笹原を進んでゆくと、小さな平べったいピークに到着。茶臼山というらしい。見通しが開ける。山の東斜面の紅葉が、朝日を浴びて、黄金のように輝いている。

右下の方に、高谷池の湿原よりも広大な湿原が見えてきた。まだ日陰になっている。湿原全体が黒沢池の呼称のようである。

黒沢池ヒュッテに到着。宿泊客はすでに出かけてしまったようであり、あたりは森閑としている。妙高山に登った後ここに引き返してくるのでザックをデポし、身軽になる。今日の天気は、高気圧ど真ん中の超快晴。雨具、防寒着等重いものはすべておいてゆく。持っているものは水500mL、お昼のお弁当のおにぎり2個。あとは、EnergyGel3~4個、行動食のナッツ2~3袋をサブザックに詰め込む。念のために上着は着てゆく。

妙高本峰に取り付くと400mほど登るだけでよい。問題は、そこに至るまでに、外輪山に150mほど登り、急峻な外輪山火口壁を150m下る必要があることである。

浅間山の外輪山の黒斑山トーミの頭からの登山道のイメージに近い。上からのぞき込むと結構な高度差を感じげっそりする。

案の定、大倉乗越から下りは、鎖場の連続。垂直に近い角度で降りてゆく。鎖場の難所を越えると、斜面をトラバースしてゆくのであるが、根曲がり竹の切り株が露出するアップダウン道が続く。

ようやく妙高本峰の取りつき口にあたる長助池分岐に到着するとベンチで3名ほどが休憩中。こちらも一息入れる。

ここからの登りが、大変で、妙高のピークに向けて急坂をまっすぐ登って行くような大変な登りとなっている。ぼこぼこした岩が転がる谷筋を登って行くと、見上げると後ろにひっくり返りそうになるような岩の登りになる。救いは、泥んこ道がなく足の掛かりもよく非常に登りやすい。

地元茨城の久慈男体山健脚コースを彷彿とさせる道になっている。

あえぎあえぎの1時間10分ほどで、泥んこの頂上広場(北峰)に到着。岩の塊がそこらに点在している。先月登った日光白根山の頂上の雰囲気である。まさに火山の頂という風景が展開されている。

ここから、西の方をうかがうと、昨日登った火打山はもちろん、はるか向こうに雪をいただく北アルプスの峰々が連なる。東の方はというと絶壁となっており、東側の登山道にある大谷ヒュッテ(避難小屋)が真下に見える。ものすごい高度感である。

妙高は双耳峰になっており、少し標高が低い北峰に頂上標柱がある。

南峰に行ってみる。こちらは完全に岩だらけのピークになっており、各々のかたまりははとんでもない大きさである。ものの本によると安山岩というらしく黒くて大変固い。

昨日の火打山とは、打って変わり荒々しい風景である。

お客さんが続々と登ってくるが、大部分は、大きな荷物をしょっている。これから、東の燕温泉に下山するようである。

下山をすることにした。もと来た道を引き返すのは少数派。

途中、続々と登ってくる登山客を、優先させながら下山。登りと違い、精神的、肉体的にも余裕がある。

高谷池でテントを張っていた外国人の少年少女グループが大量に登ってきた。ガイドが引率しているようである。荷物を全く持っていない。しかも半そでである。どうやら自分と同じルートで引き返す算段と見受けられた。今日は心配ないが、急に天候が悪くなったらと余計な心配をする。そういえば、雨の富士山に登った折、大量の外国人登山客が、半そで、半ズボンで登っていたのを思い出す。どうも人種が違うようである。

それにしても大倉乗越へののぼり返しのつらいこと。休み休み歩き、黒沢ヒュッテ、富士見平分岐をへて、もう紅葉を楽しむ余裕もなくほうほうの体で、駐車場に着いたのはもう3時になろうとする時刻であった。朝出発して9時間かかってしまっていた。



朝日を受けて輝く火打山

北アルプスの峰々も朝日に輝く

道は霜柱でザクザク。滑らないのでドロドロよりまし。

つつましいピークの茶臼山到着。ここで北側の展望が開ける。



茶臼山から。日本海方面は雲が多い。朝日で斜面の紅葉が美しい。




下の方に広大な黒沢池(湿原)が見えてきた。

池もある。

黒沢池ヒュッテが近づいてきた。

宿泊客は出発した後で、森閑としている。ここで重い荷物をデポする。

小屋前は三差路。右が富士見平/笹ヶ峰、左が妙高山。ここから150mほど外輪山を登る。

大倉乗越(2,145m)。せっかく上った150mをここから下る。

妙高の本峰が間近に見え始めた。手前から登るが、きつい勾配になっている。

振り返るとやさしい風貌の火打山も見えるが、遠くなってきた。



長助池が眼下に

振り返る大倉乗越。この外輪山の火口壁を下ってきた。



長助池分岐に到着。

とてつもない勾配の登山道が始まる。ぬかるみがないので助かる。

頂上につながる岩のピークが見えてきた。

ついに妙高山頂点に立つ。

東側は、高度差が大きい展望が広がる。野尻湖方面。

妙高高原駅方面。




荒荒しい頂上風景

南峰から北峰を望む。東側は切れ落ちている。







妙高に比べて火打は優しい風貌。
後ろの丸い山は焼山。活火山で煙が噴き出している。

西側の外輪山







頂上エリアは意外に広い。

北峰の広場は、どろんこでぐちゃぐちゃ。

北峰から南峰を望む。

長助池分岐まで降りてきた。高谷池ヒュッテで作っていただいたお弁当を食べる。おにぎり二個。ラップされているので湿り気があり食べやすい。

これからこのうっとうしい外輪山火口壁ののぼり返しが始まる。

続々と登山者が登ってきて妙高に向かう。

黒沢ヒュッテでザックを回収。外国人少年少女たちのものと思われるたくさんのザックがデポされている。

黒沢池は広い

吹き渡る風が、気持ちがよい。

途中のブナのトンネルを抜ける。

黄色が目に刺さってくる。

黒沢の橋まで戻ってきた。ゴールはもうすぐ。

黄金色のトンネルまだまだ続く。

笹ヶ峰登山口帰着。またたくさんの自動車。

【妙高連峰登山:Day1】紅葉の笹ヶ峰から草紅葉の火打山に登る。(2023.10.17)

 2023.10.17

長らく気になっていたが、なかなかきっかけをつかめないでいた新潟・妙高連峰への登山をいよいよ決行。

今日は、笹ヶ峰登山口(1300m)から、火打山(2461m)に登り高谷池ヒュッテ(2100m)に投宿の予定。

朝早く起きて長距離ドライブの後のハードな登山はきつくなってきたので、妙高高原の温泉で前泊。妙高高原駅から近くにある香風館に投宿。年代を重ねたたたずまいで、温泉はチェックアウトまで24時間入り放題。最近の日本旅行ブームの影響か、外国人のグループが風呂場で大声で談笑。夫婦もいると思われ、となりの女湯との間でも会話している。

宿の周辺は、高原と称するだけあり、標高は500mを越える。

笹ヶ峰の登山口は1300mの標高にあり、例によって、暗がりの中、山道をくねくねと登ってゆく必要がある。対向車はヘッドライトでわかるので、夜の山道は意外に快調に登ってゆけるが、今日はいささか勝手が違う。昨夜の雨の影響か霧が非常に深い。路肩がよく見えないほどである。長時間にわたりそろそろ登ってゆくと、うす暗闇の中、駐車の列が目に飛び込んできた。6時前というのに薄暗い駐車場はほぼいっぱい。最後の2~3台のスペースに潜り込む。実は50mも奥に行くと百台ほど駐車できそうな広大な駐車場があるのであるが・・・

出発予定の6時まで30分ほどもあったが、忘れ物をしたり、バッグの中を確認したり、エネルギー補給を忘れていたりとドタバタで6時になってしまい、あたりも完全に明るくなってきた。

ふと目を上げると駐車場周囲ではすでに見事な紅葉の風景が展開されている。

6時、予定通りに、立派なゲートから登山開始。入山料500円を支払い、記念のライチョウのキーホルダをいただく。

緩やかな、木道から始まる。あたりは、まさに紅葉真っ盛り。サルが生息しているらしく、大きな鳴き声に驚かされながら、木道を歩く。気温が低く、勾配も緩いのでまだ快調である。

木道は、結構な距離にわたって続く。

上部の湿原の黒沢池から流れ落ちてくる黒沢にかかる橋を渡ると、いよいよ木道も終わり、本格的な登りが始まる。十二曲がりという。

あたりの紅葉は実に見事で、ブナ類の目の覚めるような黄色のトンネルを抜けて進んでゆく。

那須連山での低体温症・遭難情報もあり、寒さを警戒して、衣類と予備食を多めに持参したせいで、30Lのザックが満杯。肩に食い込む。だんだんと苦しさも増してきた。ほかの登山者が次々と追い抜いてゆく。中には、作業服姿の人もいる。

大き目の岩を乗り越える、ドボドボのぬかるみを避けてゆく、大きな木の根を越えてゆく、はしご・階段を越える・・・この繰り返し。いつまで続くかわからない登りが延々と続く。

それでも、視界が開けてきたのは少しの慰み。白馬など北アルプスの峰々はすでに雪化粧が終わっている。

ようやく黒沢池への分岐である富士見平に到着。少し休憩をと思うが、今までベンチが一か所もない。立ったまま、休憩。

ここからは、本日の宿である高谷池ヒュッテまで、高度差は少ない。楽勝かと思いきや、小さなアップダウンの連続で、想定外につかれる。

9:30ようやく高谷池ヒュッテに到着。何やら騒がしい。ヘリで荷揚げをするので表のベンチを使うなとのお達し。チェックイン時間前であったが、とりあえずチェックインをさせてもらいザックをデポ。サブザックで水と行動食をもって火打山に向かうことにした。

ヘリがやってきたので、少し様子を見させていただくことにした。これがとんでもない。たかがヘリの風と思っていたが、おそらく30m/s以上のダウンバースト状態。

軽いものは何もかにも吹っ飛んでいった。聞けば、小屋で導入する設備を搬入中ということである。途中で抜かれた作業服の人は設置に来た作業員の方々であった。

小屋から緩やかに続く木道を歩き始める。重い荷物を下したので足取りはまだ軽やか。

小屋前に広がる高谷池を巻きながら小高い丘を越えると天狗の庭。またとない快晴。池の向こうには、目的地の火打山がたおやかにそびえたつ。300m程度ののぼりであるが距離が長く意外に堪える。尾根を縫い最後の階段を登りきると、緩やかなだだっ広い頂上広場。数人の登山客。

東があいにく雲で視界が得られないが、西から南にかけては絶景が広がっている。

昨年夏に登った白馬はもう真っ白。火打山は、ライチョウが有名らしいが、大きな望遠レンズのカメラで待ち構えている人に聞くと現れてくれないらしい。別の登山客によると、登山者が少ない北側の焼山のほうがいるかもしれないとのこと・・結構距離がある。

ひとしきり休憩したあと、小屋に戻ることにした。

小屋について、驚いたことに、外国人(西洋人)がたくさん。多くはテントを張っているようである。小屋どまりもいて、談話室にも、英語の大声が響き渡っている。

外気温が0度を下回っても、小屋は、10度以上を保ち、布団+毛布でも十分に暖かい。寒さを想定していろいろ衣類を持ってきたのに拍子抜けである。不覚にも5時の点灯時刻まで寝てしまった。


夜が明け始めた笹ヶ峰駐車場

登山口ゲート。

ここで入山料500円を払とライチョウの木のキーホルダをもらえる。





紅葉の森の中に足を踏み入れる。

黒沢橋に到着。ここから向こうは本格的な山道が始まる。



高度を上げるに従い樹相が変わってくる。紅葉が見事。

北アルプスの峰々が見え始めた。すでに雪を被っている。


富士見平の三差路に到着。

火打山が見えた! 天気がいい!


遠くの方に高谷池ヒュッテが見えてきた。


高谷池ヒュッテ到着。真新しい小屋が立っている。

荷揚げのヘリがやってきた。この後、とんでもない事態になる。

高谷池とヒュッテ。

木道の向こうに火打山

丘を越えると天狗の庭

天狗の庭全景

振り返る天狗の庭。こうしてみるとあまり広くはない。

ライチョウ平到着。ベンチがある。ライチョウは見えなかった。

尾根道の北東側は切れ落ちている。

振り返る尾根道。左右で対照的。右側にハイマツ。ライチョウが好む。
ライチョウは天気の悪い日に出てきてくれる印象。大雨強風の立山の縦走で、目の前をちょこちょことしばらく誘導してくれたのを思い出す。

振り返る天狗の庭。向こうに妙高が見えてきた。

頂上手前の階段。丹沢みたい。

ここが火打山頂上。平べったい。

記念写真。

少し雲が多いが北アルプスはばっちり。


小さなお地蔵様にお参り。

天狗の庭から眺める火打山