2020年3月22日日曜日

厳しいのぼりが最後まで続く九州祖母山(1756m)・神原(ごうばる)コースを行く。(2020年3月19日)

2020.03.19

<スライドショー>

現在、九州の登山旅行の3日目。
今まで、韓国岳、久住山、阿蘇・烏帽子岳に登ってきた。

今日は、一番厳しい祖母山。
祖母山の登山ルートは、いくつかあるが、今日は竹田市の神原コースを選択。
往復11㎞の行程、1100mの登りとなる。

そのため、登山口に近い神原の民宿「清流」に投宿。
後で知ることになるのだが、食事のクオリティの高さで評判の宿である。
ご主人が、提供する地元食材を活用したフレンチ流の料理のレベルの高さには、正直脱帽。
6時前の朝食をお願いすると快諾していただきしかも手抜き無し。
お弁当も準備してくれてしかもそのクオリティも高さ。
ふと気が付くと、お弁当の箸袋に手書きのメッセージ。
恐れ入りました。

さて、登山の方であるが、朝早く発つことを旨としているので、朝6時すぎに宿を出発。
登山口は、宿から林道を5分ほど登ると、道幅の狭い林道に入る。
舗装されているが、狭くてくねくねの道路をしばらく進むと突然立派な駐車場が現れる。トイレも完備されているが、あいにくトイレペーパがなかった。
6:30時点、先客はいない。
今日は、気温がひくくなく、比較的軽装で、スタート。
宿のご主人のお話で、数日前に降雪があったが、不要だろうということでアイゼンは持参せず。

少し林道を歩くことになる。
大分は、林業の県である。大きく育った立派な植林が延々と続く。
すぐに、登山道への入り口がある。
最初はなだらかなのぼりがスギ林の中を続く。
谷を何回かわたるが、水は流れていない。

やがて5合目の避難小屋に到着。
山小屋には珍しく、火床があり、焚火可能である。しかも二か所も。

ここでもトイレがあったが、異物が詰まっており使用できず。
さらに進むと、やっと杉林もおわり、落葉樹の尾根道を登り始める。
行けどもゆけども同じような苦しい急坂が続く。
途中下りは一切なし。ひたすら登り続ける。

国観峠に近づくほどどんどん急になる。

やがて前方に大きな岩が現れ、その下を巻くように登る。
まずいことに、濡れた土の登山道に変わってきた。
急坂の上に、湿っており滑る。
これで雨が降ったらもっと悲惨なことになるかもしれない。

苦労しながら、滑る道を上り詰めるとやっと、尾根道に合流し、すこし行くと驚くほど広い広場に到着。
国観峠(くにみとうげ)(1486m)である。
救難時にはヘリポートとしても使っているようである。
駐車場を出て、ここまで2時間半ひたすら登り続けてきた。

ここまで800mほど登った。頂上まで、あと300m弱、1時間弱の登りになる。
ここからは比較的、緩やかな道になる。
泥道でスリップに注意しながらの歩行になるが、これが意外に体に堪える。

道が、石ころ主体に変わり、なだらかになってくると頂上が近い。
頂上には先客が二人休憩中。
あとからすぐに韓国の方が登ってきて、比較的広い頂上には4人の登山客。

あいにく、ガスの流れが多く。下界の様子はうかがい知れない。
それでも、時折、ちらっと豊後大野のほうが見えたりする。

しばらく待っても状況には変化がない。
雨雲レーダを見ると、八代市のほうから雲の塊が接近中。

あきらめてそそくさと下山を開始。
国観峠まで、何回か滑って転びそうになりながらも急いだ。

国観峠からの泥の急坂も難渋。
ロープにつかまりながらの下降。
靴も手も泥だらけ。

やっと5合目の避難小屋に来て小休止中、とうとう雨に追いつかれてしまった。

スピードを上げて駐車場に着いた頃は、じゃーじゃーぶりに。

洗い場があり、たわしで靴の泥を洗い落とすと、あたりはすっかり本降りに変わっていた。
最後に雨に降られはしたが、良しとしなければいけない。昨夏の東北では、5山中4山でガスの中だった。

歩行距離11㎞、累積登高1100m、5時間半の苦しい山登りでした。

民宿清流の夜ご飯の一皿。料理もさることながら、器にもこだわりが。

味噌田楽にシイタケのチーズ焼き。ほかにも数品出てきたが写真がない。


これは朝ごはん。

これはお弁当。

お弁当に書かれていた手書きのメッセージ
(GPS高度記録)単調な勾配の祖母山神原ルート。Up/Downがないため、標高差~累積登高となる。



朝6時半の駐車場。ここで登山届を出す。備え付けのボールペンのインクがでない。
自前のペンをザックから出して記載。
林道をしばらく行くと登山道になる。


このような杉林がしばらく続く。




スギの林が切れ、落葉樹の沢沿いの道を歩く。

5合目の避難小屋。トイレも完備

火床がある。

「いのち水」の水は完全に枯れている。

国観(くにみ)峠に到着。お地蔵さんがぽつんと待っていてくれた。

国観峠のお地蔵さん

Q合目の分岐に到着

祖母山(1756m)山頂に到着

岩の塊の上に祠が鎮座。とお賽銭をあげてお参り。

時折ガスの切れ間から下界が見えるが・・ガスの流れが速い。

登山道の途中で見たヒメキャラ。屋久島の高塚小屋の周りにも巨大なヒメキャラがあったのを思い出す。
この色は林の中で異彩を放つ。


神原にある武男霜凝日子神社/穴森神社に参拝


ご神木は圧倒される巨大なトチノキ。樹齢600年。
根元にサルノコシカケが発生しているのが心配。
心配のあまり、竹田市の方に連絡を入れて対策をお願いした。




2020年3月21日土曜日

阿蘇・烏帽子岳(1337m)阿蘇山の噴煙をまじかに見る。 (2020年3月18日)

2018.3.18

九州登山旅行を行っている。
初日は霧島連峰韓国岳。
二日目(本日)は午前中が久住山、午後が烏帽子岳。

阿蘇の中岳、高岳の登山道が閉鎖されているため中岳正面に鎮座する烏帽子岳にのぼり阿蘇登山の代わりとすることにした。

烏帽子岳は、草千里の平原の真正面に構える火山である。

草千里の駐車場(500円)から出発する。
左回りで行くことにした。

草千里はGoogleMapで見るとよくわかるが、カルデラに中にできた平坦な草原である。烏帽子岳は外輪山のピーク。

草千里の草原に入ると右奥の方に草千里の外輪山に上がる登山道が見えてくる。それを目指して草原を横切る。
草は枯れていて深くなくどこでも歩行可能である。

尾根道に入ると、最初は緩やかであるがだんだん厳しくなる。
最後は、階段が出現する。
それでも標高差が少ないため難なく頂上に到着できる。

大した期待はしていなかったが、眺めは最高である。
噴煙を上げる中岳は指呼の距離に見える。
中岳の駐車場には数台の車が見えるが、頂上への道路は封鎖されている。
その上には大きな火口が口を開けていて、盛んに噴煙を上げている。

南東側眼下を眺めれば、そこはまさに絶壁。一気に300mほど落ち込む。
崩壊が激しいらしく、盛んに砂防工事が行われている。

振り返り北側を伺うと、優しい風貌の杵島岳が草千里を挟んでそびえたつ。

下りは、左回りに登りと比べるとなだらかな登山道を下りてきた。

一周4㎞、標高差250m、2時間弱の山旅でした。

GoogleMap(3D)から。草千里と烏帽子岳は、中岳火口と高岳・中岳の対称的な存在である。

草千里から望む烏帽子岳。

草千里から振り返る優しい風貌の杵島岳(1326m)

尾根に取り付き、眺める烏帽子岳。最初は緩いが次第にのぼりが厳しくなる。

草千里。これもカルデラ。

中岳方面

大きな火口が噴煙を吐く。現在火口付近には入れない。


烏帽子岳の南側は鋭い落ち込みになっている。

比較的広い頂上。




祖母山の登山口に移動する際に見上げる根子岳。
その異様な風貌には度肝を抜かれる。肉がそがれて、骨だらけになった悪魔のイメージ。
変な魅力がある。


泥と格闘の九州・久住山(1787m)、牧ノ戸峠から登る(2020年3月8日)

2020.03.18
九州登山旅行中。
昨日は、韓国岳(からくにだけ)に登った。
今日は二日目、久住山(1787m)にチャレンジ。
九重連山の久住山であり不思議なネーミングである。

昨夜は九重町にある民宿「たから温泉」に投宿。
自炊の設備はないため、1泊二食付きのメニューを選択したが、出発が早いために朝ごはんはおにぎりにしていただいた。
ここも、温泉は源泉かけ流しで、お湯が豊富。
さすが湯の国大分県である。

朝6時に宿を出発。
道路には、車がほとんどいない。
数えきれないほどカーブを曲がり、ついたところが牧ノ戸峠。立派な駐車場がある。まだ2~3台しか駐車がない。
朝が明けたばかりのあたりの雰囲気は完全に九重そのもの。

標高はすでに1300mを超える。久住山の標高差を考えると、楽勝かと思いきや、思わぬ敵が待ち受ける。


風がものすごく強く寒い。
もってきた最もヘビーな装備で出発。
アイゼンも念のために持参。
さすがにヘルメットは置いて行った。

登山道はしばらく舗装された坂道。
幸いにも積雪がないのでいいが、積雪だとアイゼンが必須になる坂道である。

やがて道は木の階段になり、それを過ぎると沓掛(くつかけ)山。
200m弱登ってきたことになる。

ここからは岩だらけの道になり少し下ると緩やかな山道になる。
女性が下りてきて挨拶。ずいぶん早いですねと聞くと、泥んこが嫌なのでとの回答。
帰りにその意味が痛感されることになる。

だらだらとした道をひたすら歩く。
星生(ほっしょう)山の下を通過。道はまだ凍っており、あくまでもなだらか。速度を稼げる。

だんだん久住山山頂が近づいてきた。

小さな岩だらけの小さな峠に到着。
真正面に久住山が屹立している。
阿蘇側は激しく切れ落ちている。
どうだという感じで、一種近寄りがたい雰囲気を醸し出している。
さすがに九重連山の盟主の風格である。

岩の小峠を超えると避難小屋が見えてきた。
小さなカルデラの縁にある。
だらだら下ると平坦な広場に出る。まだ地面は凍っている。

小屋を覗いてみる。
結構古い小屋である。
戸がないため、帳をつってある。
これでは強風が吹けばひとたまりもない。
横には新しいトイレがあるがまだオープンしていない。

ここから山頂まで30分。
岩だらけの道をゆっくり登ってゆくと山頂があった。

風はびゅうびゅうで残念ながら阿蘇方面の眺望は今一つ。
それでも阿蘇中岳のすそ野が茫洋とした広がりを見せている。
見回すと、名も知らぬまさに九重の山という峰々が連なっている。
九州で、しかも比較的標高が低いにもかかわらず、山には樹木がないのが不思議でもある。

阿蘇・中岳もカスミの中にたたずんでいる。

ひとしきり写真を撮った後下山開始。
登り返しも少なく楽勝と思いきや、大変な帰路であった。

天気は快晴、気温もうなぎのぼり。
来ていたシェルも上着も脱ぎ捨てた。
道がぐちゃぐちゃになってきている。
しかも、登りの登山客が大挙して押し寄せている。
泥んこの道は、こねくり回されて、泥田のようになっている。

ぴちゃぴちゃと跳ねる泥をよけながらの下りは想定以上に時間を要した。
靴もズボンも泥んこの泥んこ祭りであった。

想像以上に大変であったが、想像以上に圧倒的な雰囲気の久住山であった。

この後は、阿蘇の烏帽子岳に登るために草千里に急ぐ。


牧ノ戸峠(1330m)から登る。頂上との標高差は450m程度であり、近所の山のイメージを持ち高をくくっていたが、実際にはアップダウンがあり、累積で700mほど登ることになった。

駐車場わきの登山口。緩やかなの舗装路で始まる。警戒心のわかないのぼりはじめだった。

しばらく登ったところの登山届ポスト。この先も舗装路が続く。

結構長く続く舗装路。

第一展望所に到着。だいぶん眺望が効くようになってきた。


壮大な阿蘇のカルデラが見えてきた。阿蘇方面の眺望は今一つ。

真正面の沓掛山に向けてなおも舗装路が続く。

雲の向こうに、中岳、根子岳が見えてきた。


道はまだ凍っていて歩きやすい。道も緩やか。スピードを稼げる。



正面は星生山。登らずにこの下手前を右に巻いてゆく。


とうとう姿を現した。これが久住山本峰?。実はこれは隣の中岳。久住山より3mほど高い。

平坦な道がしばらく続く。帰り道では、氷が解けて、とんでもないことになる。



いきなり久住山の本性を現した。阿蘇側は人を寄せ付けないような落ち込みを見せている。圧倒される雰囲気を醸し出している。

避難小屋に向けて50mほど下る。ここもカルデラであることは明らかである。

古びた避難小屋。ドアは壊れてカーテンを張ってある。

久住別れ。右は最高峰の中岳。


やっと到着。


頂上からの風景。阿蘇方面。


頂上からの風景

頂上からの風景

頂上からの風景

頂上からの風景

頂上からの風景

頂上からの風景



たくさんの登山客の自動車。久住山は人気の山のようである。

阿蘇の草原は野焼きが終わったばかり。