2021年4月28日水曜日

残雪の金峰山(2599m)に長野県川上村廻目平(1570m)から登る。(2021年4月27日)

 2021.4.27

<スライドショー>
https://youtu.be/OIeWOae8zg4


4月25日、26日と金峰山の近くにある甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)に登った。

http://chibira-tamy.blogspot.com/2021/04/24752021425.html

本日は長野県川上村廻目平にある金峰山荘(標高1570m)をベースに金峰山(2599m)を目指す。金峰山の呼称は山梨側できんぷさん、長野県側できんぽうさん。コースは、頂上までのピストンであり、地図上の累積登高1000m、歩行距離11kmである。昨日の甲武信ヶ岳より距離が短く少し楽なコースである。

金峰山荘を出発すると、まず林道の終点の中沢出合まではほぼ勾配一定の林道を歩く。昨日歩いた甲武信ヶ岳の源流コースの林道(跡)に比べて、よく整備されており比較的歩きやすい。林道を3㎞歩き、高度を300m稼ぐ。中沢出合から本格的な山道になり、急坂を登り一気に高度を稼ぐ。大きな下りがないので助かる。

一旦緩やかになったあと再び勾配がきつくなり、苦しんだ歩みの先にあるのが金峰山小屋である。ここから急に樹木の背丈がひくくなり、見晴らしが一気によくなる。

周りに沢山の山々が見え始めた。

見上げれば、大きな円弧を描く稜線が見える。頂上こそはっきりしないが、ゴールはもうすぐなのがわかる。

小屋の上にある広場のベンチに座ってエネルギー補給。後ろの大きな岩のおかげで西風が当たらず陽の光がさんさんと降り注ぎ暑いくらいである。

不要な荷物は、すべてここにデポする。食料が入っているのでネズミにかじられやしないか心配になるが、しんどさを考えるともうどうでもいい気分になる。

ここからは、雪が少なくなり、大きな岩がゴロゴロした道が頂上まで続く。最後の力を振りしぼって、頂上に向かう。所々雪が残っており、アイゼンなしではつらい。

大きな岩の集合体の山頂が見えてきた。

人影も見える。

頂上に到着。2名の先客。一人は食事に忙しく、もう一人は高級なカメラを抱えて撮影に忙しい。

頂上の標識の場所からさらに一段と高い岩の上に上がる。

ここにはもう遮る一木もなく、完全に360°パノラマ眺望。南には甲府盆地を挟んで富士の秀峰、北岳を盟主とする南アルプス。甲斐駒ヶ岳がやけに大きく見える。遠くに御嶽山、八ヶ岳に少し隠れた乗鞍岳、更に右に目を転ずれば八ヶ岳、北アルプスの峰々、さらには高妻山、火打山なども遠望できる。

昨日登った甲武信ヶ岳も見えるはずであるが、何となく自信がない。後でGoogleMapの立体写真で確認するととんでもない方向を探していた。

頂上から西に少し降り、五丈岩に向かう。さらに巨大な岩の集合体で圧倒されるほどの規模である。

岩の上に鎮座する神社にお参りをして下山をすることにした。

いつも下山は得意で、標準時間内で、金峰山荘まで帰ってきた。

朝7時出発、15時帰着の結構きつめの山旅でした。


前夜は川上村村営金峰山荘に宿泊。一泊2食付きでなんと6800円。食事のボリューム満点。しかも宿の方は親切。

トイレのわきで登山届を提出。広大なキャンプ場が併設されている。

林道歩きからスタート。

ロッククライミングのメッカみたいで、道の両脇に岩登りの練習に適した岩場が多くマットを抱えた人を見かける。

中ノ沢出合に到着。なぜか古いカリーナと思われる車両が廃棄されている。昔はここまで一般車が乗り入れ可能だった模様。林道歩きもここまで。ここから本格的な登山道が始まる。

このあたりの樹木はまっすぐ天に伸びている。雪が少なく風も弱いかも知れない。

中間地点到着。シャクナゲも多い。シャクナゲもねじけておらずまっすぐすくっと伸びている。

中間地点を過ぎると氷の路面が主体になった。アイゼン装着。なぜか登山路のみが凍結しており、道の両脇はザラメの雪である場合が多い。氷は染み出た水がゆっくり凍るためか、透明氷である。

雪の林の向こうに大きな岩が見えてきた。しかしこれはまだ頂上ではない。

大きな岩の横には真新しい山小屋がある。金峰山小屋である。
残念ながら営業中ではなく、無人であった。

頂上付近の稜線。なだらかな頂上になっている。背の低い樹木に覆われている。
五丈岩が見える。


小屋の上の広場。巨大な岩が西風を防いでいる。広場には座りの良いベンチがある。

小休憩ののち頂上を目指す。隊長は日ごろ鍛えた成果で元気いっぱい。

どんどん先に行ってしまう隊長。

頂上の標識が見えてきた。

頂上には巨大な岩が積み重なっている。岩の間に登山道が伸びている。左方向が大弛峠。

頂上の西のすぐのところに五丈岩がある。巨大で20~30mの高さがある。規則正しく立方体が積み重なった姿となっている。

標識の隊長。余裕がみなぎっている。

八ヶ岳の後ろには北アルプスが控える。手前は瑞牆山。麓は川上村。今レタスの植苗が真っ盛り。畑は真っ白。苗はビニールシートで覆われた地面に植えられる。


南アルプスの峰々は近い。左から北岳、仙丈ケ岳、甲斐駒ヶ岳。


もちろん富士山も甲府盆地の向こうに。


近くから見る五丈岩。鳥居の高さからその巨大さがわかる。



岩の上に鎮座する神社に安全祈願。

五丈岩から望む頂上。巨大な岩がランダムに積み重なっている。

縦走路の先には瑞牆山が見える。頂上付近は巨岩の塊である。

下山開始。金峰山小屋が意外に真下に見える。登山道は、大きめの岩がごろごろしており、アイゼンでは歩きにくいが所々凍っているため脱げない。

小屋の広場で、デポしてある荷物を回収し、昼食。ネズミにはかじられていなかった。

金峰山小屋。昼食を頼もうと考えていたが
無人であった。

林間はたくさんの雪が残っている。

余裕の隊長。

中沢出合まで下山。あとは、林道をちんたら歩くのみ。

林道わきの谷川はあくまでも住んでおり、ところどころ泳げそうなプールもある。

高速で林道を下る隊長。












残雪の甲武信ヶ岳(2475m)長野県川上村毛木平(1450m)からちくま川源流コースを歩く。(2021年4月25日)

 2021.04.25

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https://youtu.be/GGa5SYei5aw

比較的近くにありながら長年登れていなかった甲武信ヶ岳(2475m)のチャレンジすることになった。甲武信ヶ岳の登山コースは往復の距離が長いため、最短の毛木平発着甲武信小屋どまりの計画にした。それでも15km、累積登高1200mの山登りとなる。

朝4時に茨城を出発、北関東道~上信越道~中部横断道~毛木平の4時間のドライブ。

8時前に毛木平に到着。駐車場にはすでに10台ほどの車がとまっている。

早速準備に取り掛かる。隊長の大森さんの荷物がやけに重い。夜の宴会に備えた物品が大量に入っているそうである。

登山届を出して早速千曲川に沿った登山道を歩き始める。登山道といっても古い林道の跡の緩やかな道である。基本的に勾配はきつくないが、ところどころ崩壊したところは、巻道になっていたりする。そのような場所は極めて歩きにくい。

谷川の音にずっと付きまとわれながら歩く時間が長い。

なめ滝に到着。大きな岩の上を水が勢いよくすべり落ちる滝である。少し休憩。ここから上は路面が凍っている様子なのでアイゼンを装着。

道がだんだんきつくなる。

水音も聞こえなくなったころ、千曲川・信濃川の源流に到着。水でも汲もうかと思ったが、完全に雪に覆われている。

ここから本格的な急登が始まる。路面は氷で覆われているが、岩がぼこぼこしている道よりかえって歩きやすい。ただし、急登で歩みが苦しい。約200mほどの標高差を、苦しみに耐えるているとやがて道が緩やかになり、尾根道に合流する。

ここでやっと視界が、少し得られる。国師岳が壮大な姿で迫ってくる。残念なことに雪が舞ってきて視界がだんだん悪くなる。

ここから尾根道を100mほど上がると頂上である。

樹木がなくなり、岩がごろごろしたガレ場が始まる。ガレ場を越えると山頂である。

この山は山頂のごく周辺のみ樹木がなく視界が開ける。360°のパノラマをと期待をしたが、やはり雪が邪魔をする。

早々とあきらめて小屋に向けて100mほど下る。こちらサイドは、陽が当たりやすいようで、樹間の道でも雪・氷が少ない。

なつかしいような煙のにおいがしてきた。やがて木々の向こうに赤い屋根が見えてくる。

甲武信山荘に到着。チェックインが二時なので、それまでテラスで待つ。

家に連絡をしようと携帯(Y-Mobile)を取り出す。一瞬4G圏内になり、ごく短いメール文を送ったきり、後はなにもできなくなった。

山荘内に大きな薪ストーブがある。薪ストーブは何とも言えない暖かさがある。トイレが、感動的にきれいで実に水洗になっている。 水は、旧道にある水場からポンプであげているそうである。電気はソーラー。LEDの常夜灯も灯る。山小屋もずいぶんと近代的になってきた。

日曜日でコロナのためか、お客さんがほかに一人のみ。実に瑞牆山のほうから縦走してきたそうである。地図で確認すると20kmにもなる。超人的である。

いつものことであるが、山の夜は早い。7時にはもういびきが響き渡っていた。

翌朝は、快晴となったが気温が非常に低い。小屋の人によると、屋外は想定外の―10℃を記録。屋内でも―4℃程度。

6時半下山開始。当初は十文字峠を経由して下山する予定であったが、足への負担を考えて元来た道を帰ることにした。

下山とはいえ最初は頂上まで登り返す必要がある。ハアハア言いながら頂上に到着。ご褒美は昨日と打って変わった晴天のパノラマ。

左右の均整が取れた富士山、少し目を右にやると南アルプスの北岳が国師岳の向こうに覗いている。手前の国師岳はやけに堂々としている。

長く風景を楽しみたいが、西の風が強く、猛烈に寒い。

下山することにした。

元来た長い道を長い時間をかけてゆっくり下ってきた。

このコースは、ほとんどが眺望の効かない林間の道を苦しみながら上り詰め、最後の最後で素晴らしい景色にありけるといった登山であった。


毛木平の駐車場から出発。隊長の荷物が異様に重い。

鹿のファミリーが出迎え

谷沿いの道を快調に飛ばす隊長

ナメ滝に到着。ここら路面凍結が多くアイゼンを装着。


毎日体を鍛えているさすがの隊長も重い荷物で疲れ気味。

やっと千曲川源流に到着。ここからツズラ折れの急登が始まる。

尾根道に合流。国師ヶ岳、金峰山への尾根道は、さすがにあまり踏み込まれていない。



やっと頂上! 隊長は重い荷物で疲労困憊

雪が舞い、国師が岳方面は時々ちらっと見えるのみ。

気温は意外に高く4.7℃。

雪が舞う中、100mほど下ると甲武信小屋。煙突の煙の臭いが何となく懐かしい。

疲労困憊の隊長は早々に就寝

4月26日朝。小屋内の気温は-2.8℃。

御来光!5時前。

陽が昇っても小屋外は―7℃。

小屋を温めるのは大きな薪ストーブ。ユニークな形状をしている。

小屋のセルフの売店。商品と取ると箱にお金を入れておく。おつりも勝手にもらってゆくシステム。ビール350ml600円

小屋のすぐわきに荒川の水源の碑が立っている。

出発前の記念撮影。

頂上付近からの富士。左右均整がとれて美しい。富士川鉄橋付近からの富士も均整がとれているが、180°の関係にあるかもしれない。

頂上の標識。

気温は―6℃を下回る。加えて風がきつく、体感温度は極寒!



国師ヶ岳方面。


また鹿のファミリーに遭遇。昨日のファミリーの模様。

登山道のお地蔵さん。ここは古の分岐で、左に行くと江戸道とある。完全にやぶとなっており、道の面影もない。古い地形図だと、十文字峠経由で青梅に出るルートのようである。

毛木平駐車場に帰着。昨日に比べて半分以下の車の数。