2012年10月19日金曜日

錦絵と満天の星空に満足の平ヶ岳(Day2)

20121015

気がつくと一時は収まっていた風がまた強くなっていた。
テントがまたはげしくばたついている。
今度は西風である。

時計を見ると4時。空はうす曇。まだ暗い。
シュラフでよこになっていると、空が明るくなってきた。

少し早いがテントの中で朝ごはん。
最近重宝しているのが、アルファ米のご飯。
軽くてカロリーがあって、しかも簡単に作れる。
今朝は、尾西の炊き込みおこわ。

100gの乾燥した材料に熱湯を110cc加えて15分待つだけで
ふっくらしたおこわが完成。
これで375kCalもある。

ご飯を食べ終わるころ日の出。水平線に多少の雲があった。
6時すぎ。

テントの外にでてみるとウッドベースに厚く霜がおりている。
近くの小さなちとうには薄氷が張っている。
氷点下だったのだ。

急いでテントを撤収して、平ヶ岳~たまご石をまわって下山の途につくことにした。
驚いたことに7時過ぎに軽装備の人がたまご石方面から登ってきた。

どうしたのかと聞くと、北側の民宿に宿泊して、宿の車で中ノ岐林道から登ってきたとか。
所要時間がなんと1.5時間!!
まさに裏技という感じ。
そうこうしていると10数人の登山者がぞろぞろと登ってきた。
寂しかったあたりは急ににぎやかに。

びしょびしょのテントを乾かして、元来たみちを下山してきた。

気のせいではないと思うが、昨日より一層紅葉の色の深みがましたようで美しい。

池ノ岳から鷹巣に降りるだけでも4時間もかかってしまった。

月曜日にもかかわらず6人の登山者に出会った。

平ヶ岳は、つらかったが今までの中でも一番くらいに印象に残る山だった。
山容の美しさ、紅葉、それに満天の星空の美しさは絶品だった。

今は、二度と行かないと思うが、そのうちまたファイトが出てくるかもしれない。

テント前は霜がびっしり。寒いはず。

朝焼け(?)の平ヶ岳

木道には霜。今日も快晴で気持ちが良い朝。


平ヶ岳山頂の標識と標石。藪の中にあり、趣がすくない。


ここにもウッドベースがありテントを張れそう。

平ヶ岳のちとう。


池ノ岳方面。



水場の上で登山者に遭遇。まだ朝7時半。裏側から登ってきた由。


この寒いのに花。りんどうか?



たまご石から北西の景色。すっかり紅葉。

たまご石からの光景。ここにもちとう。

これがたまご石。逆三角形。

見る方向が違うとたまご石。


山頂付近は広い湿原。木道がずーっと続いている。




姫池まで戻ってきた。ザックを拾って下山開始。







今日のほうが一段と色濃い紅葉。














鷹巣の駐車場。池ノ岳からの下山だけで、4.5時間もかかってしまった。





2012年10月17日水曜日

錦絵と満天の星空に満足の平ヶ岳(Day1)

2012.10.14

会社の休みをもらって、平ヶ岳登山。

体力のないものにとっては、平ヶ岳の行程は結構中途半端。
すなわち、単日行だと一日の距離が長すぎるし(片道10km)、とまりだと装備が重すぎ負担になる。

散々悩んだ末に、頂上にテントを張ることを決心。

登山口は前回の燧ケ岳登山の帰りに偵察を行っておいた、桧枝岐村の御池を越えたところの
鷹巣という場所にした。
御池は1500mほどの標高だが、800m程まで国道を下りることになり、なんとももったいない感じがする。


御池から降りる道すがら見上げる台倉山の屏風のような尾根筋は、上の方は紅葉が始まっており楽しみである。
8時すぎに、鷹巣の駐車場に到着した。すでに20台程度の車が停車しており満杯である。
仕方がないので、反対側の空きスペースに止めさせていただいた。

そそくさと準備をしてザックを背負うと重い・・・。
なぜか一泊行はいつも13kg近くになってしまう。
水の調達がおぼつかないので3Lの水を準備。
寒さも予想されるので、Heavy Dutyのダウンのシュラフも携行。

国道から標識のある林道が登山口。

しばらく行くと谷川に行き逢う。
丸太橋をわたって、平坦な林道が行き止まりになり、尾根筋への取り付きになる。

標識には”やせ尾根がすぐ始まります。”とあるが、しばらくは、森中かの様な道が続く。

100mほど上ったあたりから、急に周りの木々の樹高がひくくなり、まさにやせ尾根が始まる。
難しい箇所はあまりないが、岩場あり、平坦部あり。
たんたんとしかも一気に標高を稼ぐようなコースである。

木々が低いので、太陽の光線が熱い!!
おそらく夏に登るととんでもないことになりそうである。

しかし登るに従い紅葉がだんだんと見事になってくる。

汗をだらだらとかきながら、2.5時間もかけて下台倉山に到着。

この尾根は苦しいのぼりだが、景色は最高!!
今紅葉真っ盛り!
しかもこの尾根は、樹高が低いのでほぼ通して、周りの風景を楽しめる。

下台倉山から台倉山までの尾根の縦走コースも景色がすばらしい!
多少のアップダウンを繰り返しながら気がつくと台倉山に到着。
ここも山頂というには少し風情が足りなく、小さな広場があるのみ。

時々樹間からうかがえる目的地の平ヶ岳はというと、信じられないくらい遠くに平べったい山容を誇示している。
本当にこの重い荷物をしょって今日中に到着できるのかと半ば絶望的な気分に陥る。

ここからは、背の高い針葉樹林帯。
目標も紅葉も見えないだけに写真も取らず淡々と歩むことができる。

途中、台倉清水通過。水はあったが、まさにたまり水。
緊急用に500mL補給。よく見るとごみが浮かんでいる・・・
このへんが10kmの半分地点。

多少のアップダウンなので、距離は稼げる。

白沢清水を通過。ここはまったくのたまり水。


やがて道は、次第に急になってくる。
振り返ると紅葉が美しい。

しかし鑑賞している心的余裕がだんだんなくなってきた。

数歩登り、しばらく休憩というサイクルをどれだけ繰り返したことか・・
それでも道は、まだマッ直線に続いている。

平ヶ岳が至近距離に見えてきた。
なだらかな肩の姿が美しい。
いままでこんな姿の美しい山にお目にかかったことがない。

最後の最後ののぼりが苦しい・・・

白い岩ののぼりを過ぎるといきなり低木がマッ平らに展開している。
なんとも不思議な光景だった。

木道をしばらく歩むと美しい湿原が現れた。
池ノ岳山頂である。

14:30。鷹巣から6時間半も要してしまった。
下山準備をする登山者が一人のみ。
日没が、17:00なので下山を急がないと暗くなる。

お互いに、挨拶を交わして別れた。

今日はここでテントを張ることにした。
テント用に、ウッドベースが設置されている。

曇天のためか、すでに薄暗くなっており、風がものすごく冷たくなってきた。

急いでテントをはり、翌日までテントの中で過ごした。

曇りで、南風がとても強く時々テントが持ち上げられる。

そのへんにおいてある石をたくさん使って補強。

早めに夕ご飯を済まして、シュラフにもぐりこむ。

いつも結露に悩まされるが、テントが激しく呼吸するためか
ポンプ作用で一向に結露しない。

22:00ごろふと、目を覚ますと、風やんでものすごく静かになっている。
シュラフの中で少し汗をかいている。

テントを出てふと空を見上げると、そこには今まで見たことのない星空が広がっていた。

山頂のため、360°グルグル完全に星空の世界。
しかも雲ひとつない。
こんなに星って多いのか!
火星か木星か判らないが、惑星がものすごく明るい。

その見事なパノラマに身震いをした・・・

しばらく見とれていたがものすごく寒い。

その後は、テントから頭だけをだしてしばらく星空の鑑賞することにした。

残念ながら手持ちのカメラでは撮影不能・・

本日のコース。右上の鷹巣登山口から池ノ岳まで。





最初は大きなぶな林の林道を進む。

川に遭遇。丸太橋を渡る。



林道からの登山道の取り付き。やせ尾根が始まるとの標識。




すこし上ると燧ケ岳が見え始めた。


向こうに見える尾根が台倉山に連なるもの。結構遠い。

台倉山の尾根がさらにはっきり見えてきた。




目の前の尾根を登ってゆく。

























この尾根を営々と登ってきたのである。

尾根に到着したら下台倉山の標識。ふもとから3.3km、平ヶ岳まで7.2km。

会津駒ケ岳の方面。どれがピークかわからず。

燧ケ岳は逆光でシルエットしか見えない。

台倉山への尾根道からの紅葉!!千金に値する!

燧ケ岳を遠望。


振り返った尾根。


平ヶ岳が見えた!!(左ピーク)ずいぶんと遠い!


燧ケ岳と御池方面。

紅葉に彩られた斜面。すばらしい。


まだまだ尾根道は続く。

振り返って見た・・



なら類の紅葉も微妙な色合いが美しい





左が平ヶ岳、右が池ノ岳。両者間は1.1kmある。

平ヶ岳はなだらかな肩をもつ








台倉山に到着。
手作りの標識と、三角点標石が出迎えてくれた。

台倉山三角点標石。


燧ケ岳遠謀


背の高い樹林帯の中に台倉清水がある。
水場は向こうの藪を20mほど下りた谷間にある。

ほとんど水溜り。
水流はほとんどなし。





白沢清水標識。
平ヶ岳まで3.2km。だいぶやってきた。


ここも水溜り。





これは池ノ岳に連なる稜線


苦しくて休憩。振り返った。 黄色の紅葉が見事。



これは池ノ岳に連なる稜線(北側)




池ノ岳向けて登山道はまっすぐ続く・・






この上が池ノ岳ピーク。もう少し。




登ってきた道。写真でわからぬが結構な勾配。



近くに見えてきた平ヶ岳。頂上は緩やかだがこちら側は厳しい落ち込みになっている。






登ってきた方向。


もう少し

ほぼ登り終わった地点からの平ヶ岳

ここから低木の樹林帯を木道が水平に縫ってゆく。





到着。池ノ岳。目の前の池は姫池。

チトウガ点在する。



空は曇って寒い風が吹き出した。

奥側のウッドベースにテントを展開。平坦でよい。
物が坂を滑ってゆかない。