2018年8月18日土曜日

富士山、外人さんとごみがいっぱい(2018年8月16日)

2018.08.16

永年、富士山は登る山ではなく見る山であるとの信念を持っていた。
特に、新幹線の富士川鉄橋あたりから見る富士山は、長く裾を引く姿は涙が出そうになるくらい好きである。

ところが、いろいろ故あり、富士登山をしてきた。
その結果は天候の悪さも相まって、長年の信念は変わらなかった。



今回は、アクセス、費用の観点から、ツアーに申し込んだ。
横浜駅に朝6時集合で、いったん新宿に向かう。
この時点ですでに、30人程度。

西新宿のセンタービル前が集合場所である。
すでにたくさんの登山客が群れている。とんでもない数である。
ガイドさんが、センタービルのエリアには入らないでくれと必死で訴える。
しかし、バスを待つ間に、沢山の登山客が歩道にあふれ、やっぱり警備員さんに叱られてしまった。

ずいぶんの人気ぶりである。

3台目のバスに乗せられた。
40人超のツアーグループである。
自分のようにガイドをお願いしないフリーツアー客は内約10人。

とりあえず定刻に、出発し、定刻と思われる時間くらいにスバルライン5合目に到着。

ところが、バスを降りた途端、想定外の事態に遭遇。
風が20m/s以上で吹き荒れており、むちゃくちゃ寒いのである。

フリーの客は解放されて、とりあえず登山道を歩み始める。
あたりは雲で覆われている。
三日月形の山中湖が心なしかぼんやりと見える。

ゆるやかな道を2km程度歩くと、6合目の安全指導センタに到着。
風が一段と強くなってきた。
幸いにも雨はまだだ。

道が本格的な山道になってきた。
同時に雨が本格的に降ってきた。

道がジグザグで、砂止めの壁が続く。
壁際を歩くと風よけになる。

時々、四足で踏ん張る必要があるほどの突風がくる。
これほど悲壮な雨のぼりは昨年の立山以来である。

http://chibira-tamy.blogspot.com/2017/09/blog-post.html


今回の違うところは、雨に砂粒が混じっていること。
顔を拭くと黒いものが混じる。

どれだけジグザグを繰り返しただろうか、やっと7合目の山小屋が見えてきた。
今日の目的地は、8合目の富士山ホテル。

岩だらけの登山道になった。
なめらかな岩肌だが濡れていても滑らない。
きついところは渋滞になる。
ヘロヘロになり始めているので助かる。

それにしても外人さんが多い。
日本語はほとんど聞こえてこない。
京都の嵐山並みである。
国籍では、たぶん中国が断トツであろう。

いやになり始めたころ、立派なトイレが目に入った。
気が付くとそこの脇が本日の目的地の富士山ホテルだった。

小屋につくと、タオルを渡され、カッパとザックカバーを拭き、渡されたビニール袋に入れるように指示される。これを寝床の頭上のフックにかけるのである。

寝床は、70cmくらいである。3年ほどの前の夏に泊まった北岳の肩の小屋約30cmよりましである。なんとかねられそう。
すぐに夕食に案内される。カレーライスにウィンナーソーセージが3個、小さ目のハンバーグが一個。それに300㏄の水が付く。質素な夕食である。一緒に明日の朝ごはんを渡される。

消灯時間の8時のはるか前に全員就寝。ガイドツアーの仲間は、いつついたかはわからず。

深い眠りにはつけずに頻繁に時計を見た。
2時になった。
ばらばらと人が動き始める。

頭が重いのが気になるが、ここまで来たのでと頑張ることにした。
幸いにも、雨は降っていない。
雲のあいだから富士吉田の町の灯が見え隠れする。

沢山の人(外人さん)がヘッドランプをつけて行列をなしている。
小屋の前も大渋滞。
あまりの多さにギクッとするがすぐになれる。

やはり、3000mを超えると息が苦しい。
400m程度の高低差だと軽く考えていたが、想定以上の時間がかかってしまう。

3時間ついやしてやっと頂上。

絵に見るご来光のイメージではないが、雲の向こうが赤くなり期待を持たせられたが、
日の出る方向はそっちでは無かった。

頂上は、強風が吹きすさぶ。時折、砂交じりの風が顔にぶち当たる。
口、目に入り気分が悪い。

驚いたことに頂上はどこかの観光地の雰囲気。
ペットボトル、割りばし、空き缶などが散乱している。

今までに見たことのない”山頂”の趣である。
正直がっかりであった。

剣ヶ峰を目指そうと思ったが、体が吹き飛ばされそうな強風。
それに砂の飛礫。

あきらめて、早々に下山を開始した。
このころには完全に晴れてきた。快晴である。
昨日と打って変わり、素晴らしい下界の風景である。

それにしても、下山用のルートの九十九折の長いこと。
日が照り十分に暑い。しかし、吹き抜ける風がそれを十分に補って余りある。
この登山は、ほとんど林間がないのである。

長い長い時間をかけて下ってきた。
たぶん、富士山に二度目に登ることはないであろう....

西新宿の集合場所。
歩道を占拠し、センタービルの警備員に叱られてしまった。

バスから見た今日の富士山。天気予報通りやばそうな雰囲気

スバルライン5合目。下界の服装をした観光客に冷たい強風が吹きすさぶ。



土産店の前は海外からの観光客でごった返す。

登山口の案内看板。たくさんの山小屋の位置が記されている。


スバルライン終点からしばらく緩やかな林道を歩く。
このころは、まだ雨はない。

山中湖が雲の下に

これは、富士吉田の町並

これは河口湖方面

5合目安全指導センターに到着

ここから本格的な登り。頂上まで5km以上。


砂止めの柵が九十九折に続く。風が強いと柵に身を寄せる。

雨が近づいてきた。
昨年に懲りて、カメラを大判のZipLockに仕舞い込んで撮影中止。




朝焼けが始まったが、この方向では日は登らない・・・



振り返るとヘッドランプの列が延々と続く

だいぶ明るくなってきた






浅間大社奥ノ院に到着
ご来光を待ち望む登山客

頂上広場はごった返す。



おびただしい人が続々と・・・



こちらがご来光の方向。雲が厚い!!

ご本堂。人がごった返しており、参拝もままならない。




何語かわからない言葉で標柱の周りで叫んでいる

残念ながら雲が厚い。

下山開始。
今朝は暗くてわからなかったが、このような急こう配を折れ曲がりながら
頂上直下を目指して登ってゆく。



8合目の山小屋が見えてきた。


急峻な斜面の背景に、遠く八ヶ岳が見えてきた。



鳥居が9合目。その向こうに頂上の神社が見える。

下界はだんだん雲が取れてきた

本八合の分岐に到着。


壮大な風景。ミクロにみると場所場所で個性が違う。





登りの吉田登山道方面。山小屋が点在する。道は岩の上を続く。

沢山の登山客がブル道を下りてくる。




荷物運びのブルがやってきた。
そこのけそこのけ・・・

よく見るとスイッチバックで登って行く。
この方が、ターンの時に路面が痛まない。




やっと帰着(9時10分)。

帰り際河口湖から望む富士。雲一つない!