2024.05.17
昨年(2023年5月2日)、中の湯登山口から、御嶽山にチャレンジをしたが、体調不良で8合目の女人堂で屈辱のリタイヤをした。
https://chibira-tamy.blogspot.com/2023/05/820230502.html
今年は、ロープウエーが再開したため、一番楽なコースで再チャレンジとなった。ロープウエー始発が9:00なので、頑張れば、当日朝に茨城の自宅を出発すれば、間に合うが、さすがにそれもできなくなってきたため、近隣の民宿で前泊。
朝8時にロープウエー駅に到着すると先客は、意外にも3台ほど。ロープウエーも開通し、土曜日なので登山客があふれかえっているイメージがあったのだが・・
天気は快晴、気温も朝方からドンドン上昇しており、一部の人は半そで姿。一番最初の乗客となって、登山開始。まずはロープウエーで、1570mの鹿ノ瀬駅から2120mの飯森高原駅に向かう。
下車するとそこはもう別世界で、はるか下の下界を眺めて、森の中の登山道に歩を進める。等高線をなぞるように10分ほど進むと行場山荘。昨年は中の湯登山口からここまで、300mを1時間かけて上がってきたが・・・。
昨年は、行場山荘でアイゼンを装着したが、今年は、その必要がない。しばらく、そのまま進んでゆくが、やがて、ところどころで、雪道が出現するようになってきた。しかしながら、ステップを切ってゆけば進めるような勾配である。女人堂の下の直線的な広い尾根まで上がってくると昨年と同じほどの積雪量。面倒だが、アイゼンを履く。
日差しはきつく、周りに背高の樹木はない。汗だらだらになってきた。風も弱い。呼吸が荒くなってきて、息を入れなければいけなくなる頻度が増してきた。昨年の嫌な思い出が頭を横切る。とりあえず、水分と、エネルギーを頻繁に補給することにする。
あえぐことしばし、やっと、女人堂に到着。(10:37)ここでしばらく休憩。昨年はここであえなくリタイヤ。
女人堂のまわりにはたくさんの仏像、石碑が林立しており、一種異様な雰囲気さえ漂う。ふと見上げると真っ黒な仏像が二体端座しており、ぎょっとする。なぜ黒いのであろうか??火山ガスの影響だろうか・・・
やはり、今日は(もともともとこんなもんかもしれないが)体調、体力がイメージ通りではない。荷物を軽くする戦略を採用することにした。雨具、余分の水、余分の食糧、最低限以外の防寒着をベンチの上に残してゆくことにした。残念ながら、結構重量のあるアイゼンは外せない。それでも気分のせいかだいぶん軽くなった。
ここ女人堂は2470mに位置する。ここから、次のセクションは、覚明堂2900mまで400mほどののぼり。地元の低山では、1時間程度の行程であるが、これが難渋の登りとなり、1時間50分を要してしまった。特に、覚明堂の下では、急な雪渓が待ち構えており、体力を消耗する。登山客が少ない理由は、この雪渓の登りが理由の一つになっていそうである。後続の親子組は、ここで引き返したようである。
ほうほうの体で覚明堂まで登ってきたのであるが、ここから頂上に向かうルートが明確ではない。下山者に聞いてみると、やはり頂上へのルートは閉鎖されているとのこと。しばらく上の方に歩き二ノ池方向に歩を進め頂上の剣が峰を望めるポイントに到着したので、この辺で引き返すことにした。
さすがに3000m峰の頂上のまわり360度は、雪を残す山ばかり!真下に臨む二ノ池はまだ氷が覆っている。北アルプス、中央アルプス、南アルプスなどの大パノラマ。数々の名峰が多数見えているはずであるが、自分が、明確に認識できるのは、乗鞍と木曽駒ケ岳くらいである。いずれもこの時期になっても、多くの雪を残しており、生半可な登山者を拒絶しているように見える。
頂上付近からの眺望をひとしきり楽しんだ後、下山を開始。通常、下りは肉体的に楽で、精神的にも負担が軽いが、さすがに雪渓の下りはいつも緊張する。先行者の足跡をたよりに慎重に行く。やばく感じる箇所が二か所あり、いずれも降りてきたころには、汗だくだくになっている。
しかしながら、積雪の多い緩やかな下りは、想像以上にハイペースに下れる。覚明堂から、駅までちょうど2時間でロープウエー駅に帰着。駅レストランで、乗鞍を眺めながら飲んだ(ノンアルコール)ビールは、五臓六腑にぎゅ~んとしみ込んでいった。
ロープウエーの駅から登りが、4時間、下りが2時間の苦しい苦しい山旅でした。
頂上に立てなかったのが、少し残念で、満足感が100%でない原因かもしれない。
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ふもとの開田高原から眺める御嶽山。頂上付近が吹き飛ばされた富士山のような形状を想像してしまう。 |
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朝8時。御岳ロープウエー鹿ノ瀬駅に到着。先客は少ない!! |
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ロープウエー駅の後ろには御嶽山 |
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緩やかな斜面をロープウエーは登ってゆく。 |
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ロープウエーを降りるとそこはもう高山の雰囲気 |
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いよいよ登山開始。まずはよく整備された道を等高線に沿って歩く。 |
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すぐに行場山荘に到着。昨年5月2日は積雪が深かったが・・ |
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ところどころ雪が残る道を歩く |
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雪が深くなってきた。アイゼンをつける。二人連れが追い越していった。 |
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樹高のある木々もなくなり、眺望がよくなる。 |
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8合目女人堂に到着。昨年はここでリタイヤ。 今日は、快晴で風もない。 |
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女人堂周りには、石碑が並ぶ。後方のピークが、次の目的地の覚明堂。標高差が400m以上ある。 |
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女人堂すぐ上の雪渓を斜めに登る。そんなに危険を感じないレベル。 |
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東にそびえる中央アルプス。 |
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途中には、石像が並ぶエリアがある。 |
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すぐそこの石室山荘はなかなか近づかない。 鐘があり、苦しい憂さを晴らすように思い切り鳴らす。 |
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お地蔵様が登山客の安全を見守る。 |
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だいぶん高度を上げてきた。北側の峰は摩利支天、その向こうは乗鞍。 |
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うんざりするような胸突き八丁の雪渓を直登する。 |
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登ってきた雪渓を見下ろす。露出した尾根道(画面中心右)に米粒のような登山者が見える。そこから雪渓を直登してきた。 |
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女人堂ははるか下に見えるところまで来た。 |
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雪渓には踏み跡があるが、ルートがよくわからない。 |
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覚明堂の直下まで来た。最後の登りが苦しい。 |
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真下に石室山荘 |
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急斜面に立つ覚明堂。 |
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覚明堂前の仏像。 |
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頂上エリア |
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摩利支天と四ノ池。奥は乗鞍岳 |
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これが剣が峰のようである。立ち入り禁止になっているが、足跡が残されている。 |
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二ノ池と、湖畔に佇む山小屋。 |
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火口を囲む稜線 |
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摩利支天の背後には、乗鞍岳。乗鞍の方が登りやすい。 |
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東を向いたお地蔵さんは何を想う? |
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このお地蔵さんたちは北を向き端座。 |
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このお地蔵さんたちは東を向く。 |
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高森高原駅の鏡に向かって自分を撮影。背景は乗鞍。 |
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鹿ノ瀬駅に帰着。クルマが朝より増えているが、ほとんどが登山をしない観光客。 |
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