2024年11月10日日曜日

久慈男体山~袋田の滝縦走(2024.11.08)

 2024.11.08

茨城県奥久慈地方の名勝袋田の滝から久慈男体山への縦走コースがある。自動車でのアクセスだと、出発地点への帰り道を考えておかないと大変なので、多くの人は、袋田駅~袋田の滝~久慈男体山~西金駅のコースを歩き、袋田駅と西金駅間は水郡線を利用する。

駅から駅間だと、地図上は15㎞、累積登高1100mと結構な登山になってしまう。ただし、約半分が舗装路の歩きとなる。

最近の体力を考えると、厳しいと感じたが、年寄りの冷や水とおもいつつも、チャレンジをしてみた。

実はこのコース、何回か踏破しており、在職中に会社の仲間と踏破したのが最後である。15年以上も前の話になってしまった。コースの詳細等もほとんど記憶から消え失せてしまった。ただ、袋田方面から登ると、男体山直下の最後の登りがえらく厳しかったのは覚えている。

したがって、今回は、久慈男体山側から攻めることにした。問題は、体力がどれだけ衰えたかである。

朝7時半に西金駅に到着。駅前の無料駐車場に駐車。空気はキ~ンと冷えており、車の温度計では3℃。空を見上げるとこの上もない好天。湯沢川に沿って歩き始めるが、道は谷あいにあり余計に寒さを感じる。

それでも30分も歩けば、体が火照ってくる。

朝8時を過ぎた。あたりの民家からは人が出てくる気配が一切ない。時折、通勤の車が山道を降りてくる程度である。

登山者と思われる県外ナンバーの車が2台追い抜いて行った。

1時間ほどで、ようやく登山口である大円地に到着。意外にも車が10台ほども止まっている。ここは、標高は200mほど。西金駅から4kmほど歩き120mほど標高を稼いだことになる。

いよいよ登山道が始まるわけであるが、今日は体力温存のために鎖場の多い健脚コースを避けて一般コースとした。距離的には長くなるが、勾配が小さい。

谷間の杉林のなかを、黙々と登ってゆく。太陽は、とっくに登っているはずであるが、深い谷間の道は夕方のように暗い。

1時間ほどで、大円地越(標高:520m)に到着。驚くことに、ここまで6~7人の下山中の登山者に遭遇。大きなカメラを抱えた人もおり、早朝の写真撮影などかもしれない。

峠までの谷筋はモミジの大木が点在しているが、まだ紅葉の気配も感じられない。

大円地越には、ケヤキの巨木が大空めがけて競い合っている。大木がすくっと青空に伸びあがっている風景は、久慈男体山系でも最も好きなアイテムの一つである。

小休止の後、先を急ぐ。ケヤキの林を抜け、尾根道に上がる。抜けるような青空で気持ちが晴れ晴れする。

ゆるやかな尾根道をしばらく登ってゆく。この辺りは20年以上も前に山火事が発生した。尾根道の両側は、丸焦げで、眺望もよかったが、今は樹木に覆われて、火災当時の面影もない。

大円地越から30分ほどで男体山頂上。休憩中の二人組の横を通り男体山神社奥宮で参拝。お賽銭を忘れてしまった!

神社の裏手の絶壁の縁に立つと、270°遠くまで見渡せる。眼下の山肌を眺めてみてみても、紅葉はほとんど進んでいない。

いよいよ袋田に向けて下降開始。下降と言っても実際にはおびただしいほどのアップダウンが待ち構えている。

頂上から、100mほど高度を急激に下げた後は、持方集落のお椀状の地形(元は牧場があったらしい)のへりを回りながら次第に高度を下げてゆく。

白木山分岐に到着。ここでお椀の縁におわかれをして、道を左に折れると、いきなり急峻な鎖場の下りが始まる。一気に、高度を100m下げる。

次のチェックポイントの鍋転山まで1時間半の森の中の悪戦苦闘が続く。その間ほとんど高度は変化しない。ひたすらアップダウンの繰り返しである。基本的に落葉樹の森の中を歩くわけであるが、夏のように葉っぱが茂っており薄暗い。眺望もほとんどない。

途中、トラバース道の斜面が崩壊した現場が2か所ある。ロープを張ってあり慎重に進む。

急な登りに耐えかねて休憩。すると上から2名の登山者が下りてきた。立ち止まって話をした。車を袋田に止めてあるので、久慈男体山までピストン往復するという。少なくとも自分より高齢のかたと見えたので、失礼ながら、久慈男体山まで行ったら、西金駅まで行き列車で袋田に帰る事を提案をした。二人連れがどのような選択をしたのかは知る由もない・・・

悪戦苦闘、鍋転山(なべころがしとでも読むのかいまだにわからない。)に到着(12:17)。 久慈男体山から2時間余りかかってしまった。ここまでくるとゴールがだいぶん近づいた感じである。

ここで昼食休憩。頂上からここまでで唯一のベンチがあるポイントである。しかも屋根がある。珍しい鉄骨構造で、何十年も前から朽ちずにここにある。

鍋転山から杉林を一直線に下ると鞍部に到着。新旧の月居トンネルが交差する場所に当たる。

ここから月居山頂上までの100mの登りがつらい。岩が露出した急坂を時間をかけて登ると意外なほどの広さのエリアに到着。月居城跡である。子孫の建立した立派な碑がある。いわれが書いてあるが、鏡面仕上げのため、文面が写真撮影できない。

急な坂道をいったん下ると観音様。ここからエスケープする道はあるが、ここまでくるとさすがに滝をゴールにしようとファイトがわいてくる。

50mほど登ると最後のピークに立つ。滝川を挟んで向かいの岩稜がくっきり見える。

長い階段をくだり、途中生瀬の滝などを眺める。ごうごうという音がいつになく大きい。今まで見た中で一番くらいに水量が多そうである。

観瀑所には多くの観光客が、詰め掛けている。遠足のシーズンか、たくさんの小学生も見える。

最後にこんなところによく作ったなと思うような急な鉄の階段を下りておしまい!

早くバスに乗って袋田駅を目指したいところであるが、バスの便がない。

袋田駅まで歩くことにした。しかし山道を歩くに比べると早いこと早いこと。40分ほどで袋田駅に到着(14:45)。西金駅を出発して7:15でした。

尾根歩きは6㎞を4時間。袋田駅までは3kmあまりを40分!娑婆のありがたさ!

しかしながら、急ぎ足で到着した水郡線、次の上りはなんと1時間後。駅の周りには喫茶店などもなくホームの椅子に座って待つことに。だんだん体が冷えてきて寒い!と思い始めたころ、カンカンが鳴り出した。

ようやく4両連結の列車が到着。一歩足を踏み入れた列車の温かい空気が感動的!列車もいいもんだ!列車に乗って旅をしたくなってしまった。

左の西金駅からスタート、久慈男体山を経て、袋田駅までの15kmコース。舗装路歩きが約半分。

7:30西金駅スタート。無料駐車場は、最近舗装されて真新しい。

道端の鮮やかな黄色。ヘリアンサスというらしい。

あるくこと1時間弱で、岩稜がまじかに見えてきた。

今日の久慈男体山。ご機嫌がいいようだ。

登山道に入り1時間弱で大円地越に到着。
ここには巨木のケヤキ林がある。

ケヤキ林を抜けると尾根道に到着。ここでやっと谷間を抜け出し日の光を浴びる。

頂上に鎮座する久慈男体山神社奥宮。お参りをするが、お賽銭を忘れてしまった。

今日は一段と眺望がすばらしい。日光男体山もくっきり。

白木山分岐。ここを左に折れると、急降下。

眺望の聞かない森の中を延々と歩く。




途中このような崩壊地がある。ロープを伝って歩けば大丈夫。

迷うことは少ないが、時々獣道に入り込むことがあり、要注意。特に尾根道からトラバース道への切り替わりポイントが危ない。

白木山への分岐から初めての分岐。ここまで一時間以上エスケープルートがないので要注意。

第二展望台到着。ここでようやく眺望が得られる。

第二展望台から。

第二展望台から。袋田の生コン工場もようやく視野に入ってきた。



見覚えのある東屋が見えてきた。鍋転山(423m)到着。

昔のままベンチがあるがずいぶんとさびてしまった。

月居山到着。山頂の月居城跡は意外に広い。

月居城にかかわる子孫の方々が寄進して建立した立派な石碑。文面とカメラに収めようとしたが、鏡面仕上げのため、風景画映り込む。

月居山には立派なモミジが多いが、紅葉はまだ当分先。



月居観音到着。スズメバチで立ち入り禁止だったが、この時期活動もしていないので参拝させていただいた。


最後のピークに立つと袋田の街並みが眼下に。ゴールも近い。




生瀬の滝。水量が多くて見ごたえがある。




袋田の滝。ごうごうという音が今日は一段と大きい。




滝川の対岸の稜線。袋田の滝を真上から見下ろせるポイントがある。

3km以上歩いて袋田駅に到着。次の列車は1時間後。









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