2023年5月31日水曜日

真夏のようなセミしぐれの中、天孫降臨の地:高千穂峰に登る(2023.5.17)

 2023.05.17

昨日の開聞岳に続き、霧島連峰にある高千穂峰にチャレンジした。暑い中、体力的に厳しかったので、途中の御鉢で引返した。それでも、豪快な霧島連山の雰囲気を満喫することができた。

朝、宿泊地の霧島温泉から、車で高千穂峰のビジターセンターまで移動する。道は、閑散としているが、カーブが多く時折先方から車が飛び出しひやりとする。

高千穂峰河原の駐車場に到着。既にたくさんの登山客が、出発した後と見えて、2面ある駐車場の1面はほぼ満杯状態。

昨日と同じように、高温が予想されている。駐車場で恐る恐る車を降りると、すでにムッとするような気温になっている。しかも、驚いたことに駐車場は耳をつんざくようなせみの大合唱である。完全に真夏モードである。

慌てて自販機でペットボトルの水を買い増して、出発。天候の心配もないので、雨具、防寒着などはすべて残してゆく。

大きな鳥居をくぐり、参道を歩く。やがて大きな鳥居がある斎場(昔は社殿があったが噴火で移転した由)の前を右に曲がると登山道に入る。しばらくは石で舗装された道を歩く。樹木に覆われ直射日光を避けることができるが、次第に樹木がなくなってくる。

ズルズル滑る火山性の砂で覆われた道の勾配がだんだんきつくなってくる。ジグザグ道ではなく直登するのである。前方にはおびただしい登山者が、急登に四苦八苦している。

直射日光がきつい。それでもときおり、吹き降ろす風が涼しく慰められる。

道はいよいよきつく、溶岩の道になってきた。斜面を直登するのであるが幅が広く、気が付くと本来のルートから外れていたりする。

火口縁に到着。御鉢というらしい。

大きく口を開けた火口の壁が荒々しく目に入ってくる。よく見ると地面に這いつくばるようにミヤマキリシマが一面に咲いている。厳しい環境では大きくなれないようである。みんな背が低く、小さい。

東を見ると、高千穂峰の本峰がすぐそこに起立している。高低差はあまりないようである。御鉢の縁をたどってゆくとすぐにつきそうである。北の方角を眺めると、新燃岳が聳え立っている。ほぼ同じ高度である・新燃岳は、以前韓国岳から見下ろした時には、御鉢があふれんばかりの活動をしていた。ここからはその様子はわからない。

おなかも空いたので、ここで傍らの岩に座りしばしの休憩とした。

目の前を続々と登山客が行き交う。登りの人もいれば下りの人もいる。開聞岳に比べて、圧倒的に若い人と外国人が多い。

ざんねんであるが、ここらで引き返すこととした。

御鉢を背にした霧島神社斎場で参拝をして、次の目的地に急ぐ。

高千穂峰は、荒々しい火口の風景はもちろんであるが、その厳しい火口壁で咲き誇るミヤマキリシマの群生が印象的な山であった。


登山道脇のパネル。御鉢に向けてまっすぐ登る必要がある。


9時前というのに多くの登山客




霧島神宮の鳥居をくぐって登山が始まる。





石で舗装された歩きやすい登山道がしばらく続く。



やがて、樹木の背が低くなり直射日光をふんだんに浴びるようになる。地面も火山性の砂で滑りやすい。



道が溶岩に変わってきた。途端に急登になる。









ずいぶん登ってきた。ビジターセンターが小さく見えてきた。後から続々と登山者が登ってくる。




そこかしこに、ミヤマキリシマが花を咲かせている。よく見ると皆背が大変低く這いつくばって咲いている。


御鉢に到着。まん丸の火口が口を開けている。人が入った形跡はない。




御鉢の火口壁にはミヤマキリシマがへばりつくように咲き誇っている。水分もない過酷な環境で頑張っている。







火口壁のミヤマキリシマ。



向うのピークが高千穂峰。もう少しの距離に見えてきた。

火口壁のミヤマキリシマ

山の斜面にもおびただしい数のミヤマキリシマが咲く。

一番向うのピークが韓国岳、その手前が、今も活動が続く新燃岳。韓国岳への縦走路は閉鎖されている。

元来た道を引き返す。歩きにくい溶岩の道である。


斎場で参拝。1234年まで社殿があった由。御鉢を背にする。






2023年5月23日火曜日

5月なのにまるで夏山登山の開聞岳(924m)(2023.05.16)

 2023.5.16

この山には、数年前に、屋久島登山の帰りに登った。しかしながら、あいにくの雨模様で、5合目から少し下界をうかがえた程度で、後は完全に靄に包まれた満たされない登山であった。
http://chibira-tamy.blogspot.com/2016/03/blog-post.html

再挑戦の今回は、晴天に恵まれすぎて、気候は完全に夏モード、登山者用の駐車場を出発するころから汗が噴き出す始末。

救いは、2合目登山口から登山道に入ってから樹木の下で直射日光が遮られていること。それでも気温は高くとてつもなく汗が滴り落ちる。

すこしは下界でも伺えれば、つらさも軽減されようというものであるが、この登山道は99%樹木で視界が効かない。

流れ落ちる汗を拭きながら、我慢の登りをつづけ5合目に到着。ここはちょっとした眺望が得られる場所になっており、山川、池田湖方面が結構な高度感を持って眺めることができる。

道は、再び樹木の下に入り、単調な歩みを続けることになる。

登山道は、次第に大きな岩の道になり、その上を伝ったり、乗り越えたりするようになる。

気が付くと今まで比較的緩やかだった道もどんどんと急になってきている。

仙人洞を通過。大人数の老人グループで先方が渋滞している。18人のパーティだという。先に行ってくれということで、抜かせていただくが、あまり待たせては悪いと思いスピードを上げるとこちらの心臓もバクバク状態。

樹木の背丈が低くなってきた。7.1合目に到着し眺望が開ける。登山道は渦巻状態になっており最初は南向きで始まるが、この辺では西向きになり南斜面にあたる。南に種子島、屋久島が見えるはずであるが、残念!夏のような霞のため、屋久島が見えない。

道はいよいよ急になり、鎖場、はしご場が次々と現れる。これは厳しいと思い始めたころ、先方が騒々しい。やっと頂上に到着したのである。

頂上付近は岩場になっており、おびただしい数の登山客が、高揚した声でがやがやと話し合っている。それにしても直射日光がきつい。

頂上の岩の上に立ってみる。この山は富士山のような独立峰である。周りに何もない。高度感が半端ではない。枕崎方面につながる海岸線、池田湖方面、指宿市街地方面が真下にから広がって見える。よくぞ登ってきたものだと感心する。

直射日光がきつくて、渋滞気味なので、少し下った場所の日陰でお昼ご飯。その間も登山客が次々と到着して、さして広くもない頂上はごった返している。

あまり長居をしても、下山渋滞が始まりそうなので早々に下山を開始。岩場、鎖場が多いので慎重に下山。降りるに従いムッとする暑さがよみがえってくる。

むせかえる林道を歩き、駐車場に到着するともう半分ほどの車がいなくなっていた。車に戻って、エアコンの冷風の気持ちの良かったこと!

この山の魅力は、西大山駅付近から眺める均整の取れたプロポーションと、頂上からの高度感のある眺望に尽きる。魅力的な山であるが、たぶん再訪はないだろう。



西大山駅から眺める開聞岳は、海からす~っと立ち上がった均整の取れた姿が美しい。これだけ美しい山は富士山の他にはないのではないだろうか?


開門山麓ふれあい公園(駐車場)付近(西)から眺める開聞岳は多少いびつに見える。



7.1合目。屋久島が見えるはずであるが残念!!



頂上で記念撮影



広くもない頂上広場は登山者でごった返す。



頂上からの眺望は抜群。池田湖方面。



枕崎方面








2023年5月5日金曜日

恵那山、暑くて半袖登山(20230503)

 2023.05.03

昨日は、御嶽山にチャレンジしたが、体調不良のため8合目でリタイヤの憂き目にあった。

本日は、恵那山に阿智村からの短縮ルートでの挑戦。累積登高1100m、歩行距離11㎞の登山となる。昨日の今日なのでいささか体力に自信がない。

前泊地は、昼神温泉が登山口に近いのであるが、ゴールデンウィークで年金暮らしの登山者にリーゾナブルな宿がなく、少し離れた飯田市のホテルから出発。

阿智村の駐車場に8時前に到着するとすでに駐車場は満杯状態。しかもあとからあとから車が到着する。仕方なく路肩駐車。目測50台ほどで大変な登山客である。昨日の御嶽山とは大違いである。

トイレを済ませ、ゲートで閉鎖された林道歩きからスタート。気温は思ったほど低くなく、Tシャツと長袖トレーナでスタート。昨日のことが頭にあり、防寒着、アイゼンをザックに詰め込んである。

ゆるやかな林道を1.5kmほど歩くと、広河原登山口に到着する。路肩に標識があり、谷川をわたり、向こう岸の斜面に取り付く。

これがとてつもない急斜面になっており、いきなり体があえぎだす。

基本的に樹林帯の歩行で太陽光は浴びることは少ないが、汗が噴き出す。半袖Tシャツ一枚になる。帰りしなに気づくが、美しいカラマツ林などの下をあるく。苦しくて下しか見ていない。周囲の風景を楽しむ余裕などない。

途中、クマザサに覆われた斜面を直登する場所に出てくる。やっと遠方の風景を見ることができる。このルートでは、北側の御嶽山などはあまり見ることはできないが、東側の南アルプス南部のピークが雪をかぶっているのを遠望できる。おそらく光岳、聖岳あたりであろう。これらの山々は、登山口までのアクセスが長く、しかも歩行距離も長いので今までチャレンジすることができていない。

頂上に近づくと、次第に緩やかになり、登山道には雪も現れるがアイゼンは必要ない。

途中名のついたチェックポイントは一切ないまま頂上に到着。20名ほどの登山客がわいわいと休憩している。残念ながら樹木に囲まれ眺望は全く得られない。

展望台があり、上に登ってみても同じ。

頂上広場の隅に鎮座する恵那山神社で参拝後、昼食とすることにした。昼食の間も、多くの登山客が行き交う。

更に30分ほど歩くと避難小屋とトイレなどがあるということであるが、行く気にもならず下山をすることにした。

毎回の感想であるが、下りの方が長く感じる。ただし、登り返しがないコースなので、心理的にかなり楽になる。延々と下りの歩みを続けると谷川の轟音がどんどん近づいてくる。

広河原登山口に到着。林道をだらだらと下る。つつじのシーズンのようである。道の両脇に淡いピンクの花が咲き乱れる。大きなヤマザクラの一種と思われる桜も薄いピンクの花が満開である。派手さはないが楚々とした雰囲気をあたりに漂わせている。

林道わきの谷川を除き込んでみると、はるか絶壁の下にはごうごうとした本谷川の流れがある。本当に長野の山々は谷が深い。

駐車場に到着してみると、車の数は激減しており、後から来た路肩駐車組の車ばかり。

今まで、GWの残雪の登山を何回かしてみたが、登山客の数が難易度を表している。登山口に到着して駐車数が極端に少ないと少し想定している難易度を考え直した方がよいかもしれない。今回のコースはたくさんの登山客に囲まれて、安心感は抜群であった。

 例)・武尊山(武尊神社コース):難易度(高):登山客ゼロ(肋骨を骨折)
   ・乗鞍岳(位ヶ原コース):難易度(低):スキーヤを含めてたくさんの登山客



沢山の車を横に見ながら登山開始。

25分ほどで広河原登山口に到着。左におりて川を渡る。

ところどころ木の梯子のある急坂を登って行く。

時折、樹間から、南アルプス南部が見え始めてきた。

東に、南アルプス南部のピークが見えてきた。

藪漕ぎのようにクマザサの登山道をまっずぐ登って行く。この辺は見晴らしがよい。

山頂近くになると樹種が変わり樹高が高くなってくる。

標識はあまりメンテがよくなく壊れたものが多い。



頂上直下の登り。登山道に少し雪が残っている。アイゼンは不要。

やっと到着しました恵那山頂。

自分も証拠写真。

頂上広場の傍らにある恵那山神社に参拝。


展望台に登ってみても眺望なし。


登山客でにぎわう頂上広場。





上りで気が付かなかった美しいカラマツ林

広河原登山口に帰着


帰着した駐車場はもぬけの殻









残雪の御嶽山、屈辱の8合目リタイヤ・・・(20230502)

 20230502

永年の課題であった、御嶽山(3067m)に昔の仲間とチャレンジ。

が、あえなく8合目で撤退。残念至極。

5月2日朝、木曽町の旅館で目が覚めた。宿の窓から見上げる御嶽山は朝日を浴びて、きらめいている。空は真っ青、山頂は雪の白。絶好の天気である。

今日は、いわゆる黒沢ルートで頂上を目指す。

麓の黒沢地区にある宿(標高800m)から、駐車所のある場所(標高1800m)まで、スカイラインを登って行く必要がある。道は意外によく、ほぼ2車線道路で運転しやすい。

ずいぶんと高度を上げたころ、前方でスピーカが、何かをアナウンスしている。そこがバスターミナルでもある中ノ湯登山口。意外にも、駐車をしている車が少なく5台ほど。拍子抜けをする。

誰もいない駐車場で、スピーカが繰り返し繰り返し、登山に関する警告を流している。立ち入り禁止区域に入ると即刻警察に通報するそうである。

クルマを下りると風がビュービュー吹きすさんでいる。気温はそれほど低くないが、ものすごく寒く感じる。

完全に冬の装束で登山開始。雪はまだない。比較的緩やかな登山道で始まり、先行する隊長が快調に飛ばす。

徐々に雪が、増えてきたがアイゼンなしで歩ける。

1時間ほどで、行場山荘に到着。この時期営業はしていない。ここから雪も増えて、登山道の傾斜がきつくなるのでアイゼンを装着。

途端に苦しいのぼりが始まる。幸いにも雪は締まっており、アイゼンが滑らない。

しかし、どうも調子が上がらず歩みが苦しくペースが上がらない。数歩歩いて休む登りを繰り返すとやがて緩やかな斜面に出てきた。

女性が一人下山してきた。夫婦で森林限界まで行ったが、風が強すぎるので一人下山するとのこと。

ダケカンバの木立の間を縫いながら登りつめると先方に小屋が見えてきた。8合目の女人堂である。その周りにはおびただしい数の石碑が林立する。

へとへとに疲れていたので、小屋の風下で休憩。

太陽が出ているのでまだ救いはあるが、風が、ものすごく強く吹くと、冷たさが堪える。

見上げると青い空を背景に、9合目付近の岩場が目に入る。その付近が次のチェックポイントである覚明堂のようである。標高差で約400m。元気であればひと登りの距離・高度感であるが、残念がら、今日は、体力的に耐えられそうもないと判断して、撤退することにした。

下山中に一人の登山者に追い越された。聞けば、覚明堂付近まで行ったが、体を吹き飛ばされそうな強風なので下山してきたとのこと。

駐車場まで降りてくると朝来たとき駐車台数は変わっていなかった。先行客は、上部で悪戦苦闘しているかもしれない。

果たしてリベンジするチャンスと気力があるかどうか・・・


隊長の大森さん。

宿から見える朝の御嶽山。絶好の登山日和。

中ノ湯登山口から出発。ヘルメットは、噴火を想定して必須とされている。

広い駐車場はまばら。

すぐに御嶽古道の標識があり、登山道が始まる。



鐘があるお堂に到着。お参りをしてクマよけのため鐘を思いきり鳴らす。

アイゼンなしで、行場山荘に到着。ここまでは比較的緩やかな登山道。

ここでアイゼンを装着。

小屋のわきには、お社。下から参拝。

本格的な雪の斜面を歩き続ける。

8合目目の女人堂に到着。

この辺は、比較的に平べったいエリアになっている。

女人堂から望む本峰方面。

とりあえずここまで登った証拠写真。

隊長は余裕しゃくしゃく。

数年前の5月に登った乗鞍岳。

小屋の周辺はおびただしい数の石碑。

元来た道を帰ることに

駐車場は朝より大分気温が高くなっていた。