2020年10月29日木曜日

黒斑山(浅間):カルデラの笹のグリーンとカラマツの黄色の対比が絶妙(2020.10.28)

 2020.10.28

嬬恋村鹿沢温泉の宿で目が覚めた。昨日の疲れをとるために温泉に5~6回も浸かった。宿の温泉は24時間開放で真夜中に入れる。

それでも何となく疲労が心配である。

とりあえず登山口である高峰高原の車坂峠に向けて出発。

ところがいきなり想定外が発生。道が災害で通行止めになっている。事前に調べてきたがそんな情報はなかった。パニック状態で、四苦八苦していると隣の湯ノ丸高原の方から林道が通じているのを思い出した。

引き返して、湯ノ丸高原に向かう。ところがこの道も災害でやられているのである。そこらで復旧工事を行っておりそのたびに信号待ちが発生する。

やっとの思いで湯ノ丸高原に到着。林道に入る。林道は意外にも舗装されている。どうも途中にある池の平という湿原が観光スポットらしい。池の平には大きな駐車場まで作られている。峠を越えると途端にがたがた道になる。

ここが林道の最高点であり、そこを越えると下りになる。ただし、未舗装のため、速度を出せない。

結局30分ほどで車坂峠に到着。あたりはカラマツの林。黄色が美しい。

そそくさと準備をして、出発、トーミの頭を目指す。トーミの頭向けて2コースあり、20分ほどコースタイムが違う。短い方の中コースを選ぶつもりが、表コースにいるのに気が付いた。中に比べて傾斜がきつく、アップダウンもある。引き返すにはタイミングが遅い。

ところどころ眺望の開けたところがあるが、基本的に背の低い木の林の下を延々と1時間かけて登ると、避難小屋に到着する。ここから少し降りると槍ヶ鞘。ここで初めて、浅間本峰にご対面となる。最高点の前掛山(2524m)は2kmの直線距離である。

今までは、遠景でしか見たことがないが、まじかのご対面である。左奥の方からはわずかに白い煙が上がっている。それは想像していたより静かにたたずんでいるのである。たった250年程前に大暴れした山である。何とも言えないミスマッチを感じる。

少し下ると中コースからの合流地点。登り返すとトーミの頭。完全に絶壁となっており、頂上から覗き込むと下の壁面が見えない。完全に垂直である。

谷底とは300mほどの高低差。ほぼ垂直の斜面をくねくねと登る道が見える。見ていると登り返すファイトがくじかれそうな角度である。

更に登ること20分で、黒斑山到着。外輪山で最高地点であるが、トーミの頭程のインパクトはない。それでも正面の浅間山は、先ほどと表情の違う顔を見せてくれる。

時間が、余っているので少し遠出して蛇骨(だこつ)岳を目指す。樹林の中が基本であるが、眺望の良い場所にところどころ出くわす。そのたびに本峰は微妙に表情を変える。

蛇骨岳からは今まで見えなかった嬬恋村の方が眼下に望めるようになる。ゆったり構えた四阿山、その下の嬬恋村のカラマツ林が見事である。ここから先は基本岩道になり、下のカルデラ平原に降りることができるが今日はここまで。

下りは中コースを経由したが、表よりはるかに登りやすそうである。

累積登高700m、歩行距離9km、4時間の山歩きでした。

車坂峠からは、小諸に向けて降りてきた。峠付近のカラマツ紅葉は実に見事であった。


車坂峠に登る道から眺めた四阿山。実におおらかな山容である。
嬬恋村のカラマツ林は、よく見ると整然と立っている。人工林のようである。

湯ノ丸~高峰林道からの風景。雲海の向こうには八ヶ岳(右)富士山(左)が見える。




車坂峠の駐車場に到着。

湯ノ丸峠の方を振り返る。池の平まで未舗装。

高峰高原ビジターセンタの前から登山道が始まる。

登山道入り口。すぐに表、中コースの分岐がある。

表、中コース分岐。見過ごしてしまった。

表コースは最初はこのようなゆるやかな道が続く。

中コースは眺望が全くないが
表コースではところどころ視界が得られる。

大分登ってきた。車坂峠方面を振り返る。スキー場になっている。

登りつめたところに避難小屋がある。完全に火山仕様。

避難小屋から少し降りると槍ヶ鞘に到着。初めて浅間本峰にご対面。
外輪山のカルデラ側は鋭い崖になっている。

中コース合流ポイント。300m、20分の違いがある。


振り返った槍ヶ鞘。尾根を境に左右が対照的。

外輪山の先の方。黒斑山、蛇骨岳、仙人岳とピークが続く。奥から谷底に降りることができる。



トーミの頭。足元は震えるくらいの絶壁になっている。

トーミから見下ろした草すべり。カラマツと黄色と笹の緑の対比が印象深い。
(黄色と緑が見たまま再現出来ていなくて残念)

正面のピークが黒斑山。



見る角度が変わり少し表情が変わる。北側の薙には雪が残っている。



黒斑山で記念撮影



前替え山に登る道は雪で白い

よく見ると左奥(鋸岳)から延びる登山道が確認できる。

蛇骨岳到着。ここから先は、森の中の道がなくなる。






蛇骨岳で初めて北側の眺望が開ける。向かいは四阿山。


嬬恋村はカラマツ林が多い。


蛇骨岳からトーミの頭(右の絶壁)剣が峰(左)


今日は蛇骨岳から引き返すことにした。



草すべり分岐。

草すべりへの道は険しい斜面につけられている。



草すべりから下への道がくねくねと続いている。




駐車場から振り返る黒斑山

車坂峠付近のカラマツ林


八ヶ岳と佐久の町



白樺の白と紅葉のコントラストが美しい四阿山(2354m)菅平牧場(1500m)から登る。(2020年10月27日)

 2020.10.27

<スライドショー>  https://youtu.be/ST93-ojkm5U


今日は2座目の四阿山(あずまややま)(2354m)。

朝7時、菅平の宿を出発。

標高が1300mほどあるため氷点下。おかげで車の窓はガリガリになっており、霜が解けるまでしばらく待つ必要があった。

宿からは、標高1500mほどの登山口に向けて急な坂道を車で上がってゆく必要がある。道は菅平牧場の所有地に入り、料金徴収のゲートを通過。朝が早いため無人である。(帰りに入場料200円徴収)

勾配をまっすくぐ登ってゆくと駐車場。すでに20~30台の先客がいる。

振り返ってみてびっくり。長大な北アルプスの峰々が、すでの7合目ほどまで雪をまとって、壁を作っている。その多くは残念ながら登ったことがない。左の奥の方に槍ヶ岳らしいとんがったピークも見える。北アルプスは完全に冬モードに入ったようである。

登山口を7:30に出発。まずは、根子岳(2207m)を目指す。今まで見たことがないような平べったい山容である。頂上を目指し、白樺の白い幹の中の道を一直線に登ってゆく。最初から最後まで、ほぼ一定の角度で道が続く。木々が途切れるころになると先方にケルンが見えてくると根子岳(2207m)頂上である。ここまで600m登ってきたことになる。

鐘がぶら下がっている。反射的にならしてしまう。

アルプスの峰々がよりくっきり見えてきた。草津白根、浅間もよく見える。目的地である四阿山はとみると北斜面に雪を抱えて、逆光の中、えらく遠くにそびえている。しかもその間には深い鞍部がある。150m以上下る必要がある。

鞍部への道は、今までとは打って変わった厳しい表情を見せる。

大きな岩の塊の間を縫うように尾根道を進む。右は切り立った崖である。覗き込むと足がすくんでしまう。

下に鞍部のきれいな笹原が見え、その間を登山道がうねうねと続く。そこに向けてきつい勾配道を下りる。

気持ちのいい笹原を横切る。

問題はここからである。250m登り返す必要がある。暗いもみの林の間に岩だらけの急な道が始まる。耐えること40分、漸く勾配が緩くなり、あたりが開けてくる。合流ポイントに到着。

ここからは、尾根歩きになり、休む回数が少なくなる。多少のアップダウンを繰り返すと神社の小さな祠が現れる。頂上はさらに少し行った先。

既に10人以上の登山客が休憩中。

あいにく朝に比べて雲が多くなってきた。それでも、眼下には嬬恋村に広がる広大なカラマツ林の黄葉が美しい。さらに向うの浅間山は雲に隠れて見えない。

長野市の市街地が遠くにかすんで見える。時折南から吹き上げてくる風にあたたかな塊が混じる。気持ちのいい瞬間である。

たくさんの、登山者が次々と押し寄せてきた。20~30人の老人グループがいる。よく登ってきたなと思えるような人が見受けられる。四阿山は老若男女を問わず人気の山のようである。その理由の一つは、山容が示している通り、なだらかであることが一つの理由だと思われる。根子岳を経由すると少し難所があるが菅平からの直登のルートは、なだらかである。ただしその分距離が長くなる。

そのなが~い直登ルートを、またもや、いやになるほど歩いて下山した。

累積登高1000m、歩行11kmの山旅でした。

菅平で、地域振興クーポンを使おうとしたが、お土産屋が閉まっている。仕方がないのでコンビニで、長野のワインを買ってきた。


朝7時半。菅平牧場の駐車場を出発。すでにたくさんの車が駐車している。

牧場の柵にそって登山道が続く。

菅平のスキー場がだんだん下になってきた。遠くには北アルプスの山並みが雪化粧をして壁を作っている。



おびただしい数のアルプスの峰々。どれがどれだかわからない。

菅平高原の街並み全景。お椀状になっている。

この辺りは白樺が多い。白樺は太陽を遮られる木があるとすぐに負けてしまう。
周りに高い木がない。

次第に白樺が減ってきた。遠くに頂上らしきものが見えるようになってきた。

霜に覆われたカラマツの幼木。


カラマツが紅葉し、霜がついている。日の光を反射して美しい。
(写真で色合いを再現出来ていないのが残念)


長野盆地は雲海。長野市は雲海に沈む。背後には雪の北アルプス。



白樺が消えて、カラマツも少なくなってきた。

根子岳頂上が見えてきた。

根子岳頂上の神社の祠。いつものようにお賽銭をあげて参拝。



四阿山はとてつもなく遠くにそびえたつ。道のりは長い。



振り返る根子岳ピーク。尾根道を歩く。南側はえぐれている。



途中岩の回廊。大きな岩の間をすり抜ける。

振り返る根子岳



やがて道は笹原に替わる。

今度はテーブルのような岩石群登場。





鞍部まで150m降りてきた。ここから300m登り返す必要がある。



大分登り返してみる根子岳。

尾根道到着。

向うのピークが四阿山頂。北の斜面の木には先日の雪が残っている。

ここだけの木の階段。右の階段は鳥居峠ルート。

手前の祠。まだピークではない。

ここがピーク。2354m。小さな祠が立つ。


根子岳が下に見える。



頂上から東へもルートが続く。



登山客でにぎわう頂上。

記念証拠写真。





下山開始。雲に隠れていた浅間山が見えてきた。

直登ルートから振り返る四阿山。





中四阿通過。







小四阿通過。

白樺の林が戻ってきた。





牧場のわきの谷川には楓の大木があり、紅葉真っ盛り。

牧場まで帰着。駐車場は大きく迂回。



駐車場帰着。まだ多くの車が残っている。