茨城県の奥久慈地方にある竜神峡は、竜神ダムから亀ヶ渕までは林道のハイキングコースとなっており、それなりに人出もあるが、亀ヶ渕より上流側は、竜神川源流域の持方集落までは、一日歩いても人一人に出会わないいわば秘境である。
9年前に、テントを担いで1泊2日で竜神ダムから竜神川を持方までさかのぼり、上小川駅まで踏破した。
http://chibira-tamy.blogspot.com/2010/05/blog-post.html
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今回も、ほぼ同じルートをチャレンジしようと思い立った。・・・結果的には想定外だらけで悔しいリタイヤになってしまった。
初日は竜神ダムの管理事務所まで車で送ってもらった。(7:30)
前回はバスでトライし、時間を大幅にロスしてしまった。
亀ヶ渕まで、舗装路を急ぐ。50分ほどかかる。
途中であったのは散歩中の男性のみ。
亀ヶ渕に到着。(8:20)
人っ子一人いない亀ヶ渕は静寂に包まれていた。
小休止の後、武生神社に上がる道を行くと、最初の標識が現れる。
標識の裏側を入ると竜神峡に降りる道があるはず・・・・なんと、近頃誰も利用しないようである。荒れるにまかされていた。藪漕ぎをしなければいけない。
一つ目の想定外である。
7年前と変わっている。
枯れた熊笹が道を遮る。赤い実をつけた万年青のような木が沢山生えている。
路が細っている。足を滑らせると竜神川までまっさかさまである。
ほうほうの体で、竜神峡に降り立った。(9:00)
体中ゴミだらけである。
沢登りを開始。いきなり大きな岩が前方をふさぐ。
いくつもの岩を乗越えると河原が現れる。
大きな岩に遭遇するとルートを見極めるのに時間がかかる。
小さな淵に差し掛かるとへつりをする。
小さな岩の出っ張りを指で確保したり、金属の杭にしがみついたりする必要がある。
中には、腕力を要する場所もある。
武生(たきゅう)神社からのハイキングルートに交差する地点まで来た。(9:30)
ここも以前に比べて荒れている。人が歩いた気配が少ない。
沢登りを継続。
途中結構、高度のある高巻を行うところが3回ほどある。
ロープ頼りであるが、ロープに苔が生えている。
なるべく、体重をかけないようにして上り下りをする。
竜神ダムを出発して6時間したころ、やっと中武生の分岐の看板が現れた。(13:30)
まだ二時前だが、ここでキャンプを張ることにした。
夜は、山でいつものことだが、谷の上から冷たい風が吹き始める。
ダウンのシュラフを持ってきて正解だった。
この季節夜はまだ寒い。
翌朝、6時半に出発。なんと出発して200mほど上流にある垂直の岩壁を登れないのである。ほぼ腕だけで4mほど登る必要があるがそれができなくなっている。
二つ目の想定外:体力が落ちている!
悔しすぎるほど悔しいがリタイヤ。
ここもロープが苔むしている。それに体重を100%かけるのもきわめて不安である。
中武生のほうにエスケープすることにした。
7年前の記憶を頼りにルートファインディングをするも、なんと道が完全になくなっている。
尾根道に上がれそうなけもの道をトライしたが、途中で消えてなくなった。
ここも7年間に完全に自然に帰ったようだ。
三つ目の想定外。
唯一のオプション:元来た道を帰るという最悪の結果になってしまった。
体力の減退が考慮されていないこととと7年前の記憶に頼った計画が失敗の原因であった。
GPSの軌跡。竜神ダムから亀ヶ渕までが遠い。 |
朝七時半。吊り橋は営業前。 |
歩くこと1時間弱で亀ヶ渕到着。 |
竜神峡の出口の亀ヶ渕。
たったこれだけの大きさしかない。
大雨時の鉄砲水を見てみたい。
竜神川の支流のお釜。見事なお釜になっている。 |
亀ヶ淵からいったん高巻して降りた竜神川 |
ここから巨岩の回廊が始まる |
ところどころへつり用のわっかが岩壁に打ってある。 相当古い。 |
川の両サイドは大体急峻になっており、エスケープできそうな場所は少ない。 |
ところどころこのような河原になっている。 それにしても以前に比べて砂利が増えた・・ |
このような狭まった場所は大体高巻のパターン。 この場合には、右側に高巻く。 ロープを探すが、苔むして見つけにくい。 |
高巻中。30mほどの高度があり怖い。 |
いつの頃につけられたか不明だが、ロープは苔むしている。 |
お釜は深く、巻くしかない |
V字谷になった場所。 |
色が変わっているが、左側に支流の谷があり、水がしたたり落ちている。 |
蛇に遭遇。死んでいるように動かない。 |
ところどころ深いお釜が現れる。巻くかへつるかしなければいけない。 |
苔むした岩肌は滑るので要注意 |
岩肌を滑るように流れる水。水量は亀ヶ淵で見るのとほとんど変わらない。 支流からの水量がほとんどないようである。 |
中武生へのエスケープルート。 荒れるに任せているのはこの時知らなかった。 |
キャンプサイト。 上流に民家があるので、水を飲む気にならない。 運ぶ水が3Lと重い。 渓谷の割にこころなしか、苔が多い。 この辺まで来ると、茶碗の割れかけなどを見かける |
正面岩でロープを使った垂直懸垂ができなかった・・・・ |
元来たルートをたどり亀ヶ渕までたどり着く。 上流の川幅に比べて、出口の小さいこと!! |
ダムサイドの道には、ほとんど桜がない |
乱れ咲くこぶしの花。 |
この辺も桜は満開に近い。 |
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