2021.12.18~19
きわめて強い寒気団で日本海側には大雪警報が発令されている中、西丹沢ビジターセンターから檜洞丸、蛭ヶ岳(泊)、丹沢山、塔ノ岳を縦走して、大倉に下山した。
不思議なものである、日本アルプスを雪は越えられないのである。関東地方はど晴天!
このコースは、3回目。前回は2019年2月の霧氷の曇り空、周囲の眺望はほとんど得られない状態で、登山客も少なく孤独な山旅であったが、今回は寒いのを我慢すれば、雲ひとつ無いような快晴に恵まれての心地よい山旅となった。山小屋での見知らぬ人との会話も楽しかった。
今回は同行の仲間の都合に合わせ、土曜日出発になった。
朝7:25分小田急新松田駅。多くの登山客であふれかえっている。係員がやってきて、列の整理を行っている。バスがやってきた。乗り切れるのかと危ぶんだが、何とか座席にありつくことができた。気の毒に何人かのお客はこの先1時間余り揺れるバスの立ち席。
山道を揺られること1時間余り。漸く西丹沢ビジターセンターに到着。駐車場はすでに満杯。多くの登山客でごった返している。
事前にネットでの登山届を出しているのですぐに出発。
今まで丹沢には数知れず訪れたが、一番くらいに寒い。
林道を少し歩き、つつじ新道の尾根に取り付く。
いきなりきついのぼりになるがしばらく我慢をすればやがて道は緩やかになり、ミツマタの群落がある場所に到着。ミツマタはもう白いつぼみをたくさんつけて春を待っている。
一時間弱で、ゴーラ沢出合に到着。ゴーラ沢のゴロゴロした岩はまぶしいくらいに白い。ここで、小休止。
ここからが厳しいのぼりが頂上まで続く。何回来ても、苦しい。歩みはのろく、何人もの登山客に追い越される。
木の階段が多くなるとだんだん頂上に近づいている証拠。石棚山からの尾根道に合流。ここからは木道主体の緩やかな道。でもこれが意外に足に堪える。
12時丁度、檜洞丸頂上到着。多くの登山客はすでに出発した後のようで、数人程度が広い頂上で休憩しているのみ。
檜洞丸の頂上付近は高い木々が多い。その木の間から、雄大な富士が覗いている。ここで昼食タイム。太陽はさんさんと降り注いでいるが富士の方から吹き上げる風がものすごく冷たい。すぐに体が冷えてきた。あわててアウターシェルを着込む。
昼食後、いよいよ、問題の蛭ヶ岳への縦走を開始する。距離はさほど長くないが、アップダウン、通行困難な場所と急勾配が多く、時間を要する。
早速、せっかく苦労して稼いだ高度300mほどを急降下する。しばらく小さなアップダウンを繰り返しながら臼ヶ岳に近づく。登山道は、平坦な道ではナイフエッジ的な個所、鎖場、はしごなどを通過しなければいけないので時間を要する。やっと臼ヶ岳を目の前にしながら、さらに50mほど急降下。結構心理的に堪える。
ハーハー言いながら休んでいると、すれ違った登山者から、今日中に蛭ヶ岳につくのかと心配をされてしまった。
鞍部から、心を入れ替えて、よちよちと登り返すこと200mようやく臼ヶ岳(ピーク下)に到着。ここからは、蛭ヶ岳が、邪魔者なしで眺めることができる。頂上直下は激しい登りになっている。直線距離1km。
臼ヶ岳からはさらに100mを下り、50mほど登り返し。これで最後の登りかと思いきや、またもや50mほど降下。
ここからがやっと蛭ヶ岳ピークに向けた最後の300mの登りとなる。梯子あり、鎖場あり。とにかく急である。幸いなことに積雪がほとんどなくアイゼンを使わなくて済む。
更に気を付けないといけないのは、いばらである。道の両脇にとげを持った枝が、待ち構えている。
やがて木の階段が現れてくると、頂上直下の苦行もようやく終わりに近づく。
16:10頂上。日の入り30分前。檜洞丸から3.6時間。疲労困憊。
丹沢最高峰蛭ヶ岳(1673m)の頂上到着。
しかしながら、たくさんのご褒美。
夕暮れの富士。秩父、奥多摩の峰々。遠くは南アルプス。北アルプス(?)。関東平野一面の夜景。おまけに今日は満月らしい。
小屋の中は、石油ストーブで暖かく心地が良い。苦しかった歩みから解放された勢いでみんな口が滑らか。マスクをしているおかげもあり、ストーブの前で大盛り上がり。
宿泊客はコロナのおかげでMaxの30人程度らしい。
いつものように山小屋の夜は早い。消灯8時には両脇からもういびきが聞こえ始めた。
寒い朝を迎えた。空気がまさにき~んとしている。それでも昨日より暖かく-7℃だという。富士山が一段と凛々しい。
木の階段の表面が凍った雪で覆われている。
とりあえずアイゼンなしに慎重に降り始める。
ここからは、昨日のコースに比べて緩やかなアップダウンで疲れているとはいえ、気が楽である。笹に覆われた尾根道をみんなで気持ちよく歩く。
丹沢山到着。今までここから満足に富士の姿を拝めたことがなかったが今日はばっちり。
実にたくさんの登山客が行きかう。時には待ち合わせが面倒になる大パーティも。
塔ノ岳到着。いつ来てもたくさんの登山客。さすが丹沢で一番の人気スポットである。以前来きた時には寒風の中、登山客に愛想を振りまいていた猫はどうしたんだろう。ここは冬にいつもそうであるが、富士の方から吹き上げる風が震え上がるほど冷たい。風下に移動して、早い昼食。
ここからは、大倉のバス停までは約7㎞の道のり。通称バカ尾根と呼ばれるらしいが、単調なくだりが続く。階段になっている場所が多い。がっくん、がっくんとひざに堪える。
みんなと励まし合いながらバス停に到着すると目の前で13:38のバスが出発してしまった。
次は、30分後。靴洗い場があり、靴とストックの泥を洗い流して待っているとすぐに次のバスがやって来た。またもや満員御礼状態。途中で白髪のお年寄りが乗車しても(自分をふくめて)誰も席をゆずるけはいもなし。疲れ切っているのか・・・と思っているとすぐに秦野駅に到着した。
丹沢には何回も登山をしてきた。このコースも3回目。毎回何か違う発見、経験をする。本当に奥深いものを感じる。
しかし、年も年だし、このきびしいコースには二度と来ることはないだろう。
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新松田7:25発、西丹沢ビジターセンタ行きの満員バス。
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ビジターセンタ到着。空気はすでにき~んと冷たい。
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つつじ新道に取り付く。すぐに急坂になり高度を稼ぐ。
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道が斜面を横切るようになるとミツマタの群落に出会う。春に備えてもう花を準備している。
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ゴーラ沢の砂防ダム到着。 |
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ゴーラ沢の石は異様に白い。
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厳しいのぼりが2時間も続く。 |
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木の階段が出てくると檜洞丸頂上も近い。
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振り向くと富士が機嫌が良い。
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檜洞丸頂上から南西に見る富士。頂上付近の積雪は少ない。
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丹沢山系で一番のっぽの蛭ヶ岳は、檜洞丸より70mほど高い。
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檜洞丸~蛭ヶ岳縦走路には様々なあい路が待ち構える。
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ところどころにある階段はありがたいが、足に堪えるのが難点。
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臼ヶ岳から見る蛭ヶ岳。頂上直下ののぼりが厳しい。
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這いつくばるような個所もある。
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蛭ヶ岳頂上直下の階段。
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日没30分前になった。
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もうそこがピーク。 |
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苦労さんざんまたもややってきました蛭ヶ岳。
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小屋の窓から富士の日没。
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関東平野一面が夜景!しかも今夜は満月!もっと広角のレンズがあればよかった。
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東京湾の向こうの千葉県も!
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小屋の夕食名物カレー。カレールー以外はお代わり自由。
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夜になると窓がすぐに凍る。
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御来光。日本人はなぜ好きだろうか??たくさんの登山客が朝日を待つ。
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北の方は金峰山あたりか?
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今日も快晴!富士がシャープ。 |
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蛭ヶ岳があっという間に遠くなった。昨日に比べて楽勝の縦走路。 |
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見晴らしの良い笹原の尾根道が続く。 |
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登り返しも昨日に比べれば苦にならない。 |
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まだまだつづく笹原縦走路 |
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なだらかなアップダウン。昨日と比べれば天国だ! |
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こちらの方は木道が多くて歩きやすい。 |
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今日も快晴。ただし空気は冷たい。 |
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前になかった木の階段 |
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坂を上り詰めるとみやま山荘 |
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丹沢山頂。前にここから富士を望めたのはいつか思い出せない・・ |
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湘南の海が遠くに光る |
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笹原から樹木が主体の縦走路に替わった。 |
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樹間の縦走路を歩く。 |
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塔ノ岳山頂の尊仏山荘がやっと間近に |
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本ルート最後の登りに力を搾る |
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塔ノ岳山頂。 |
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バカ尾根を下山開始。 |
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灌木の尾根道 |
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まっすぐ伸びる階段道 |
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高度を下げると樹木が大きくなってきた。 |
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