2019年10月10日木曜日

平ヶ岳(2141m)プリンスルートを登る。壮大な草紅葉の原を楽しむ。(2019年10月9日)

2019.10.9

<スライドショー>
https://youtu.be/4yhESG0Ar2c

現天皇陛下が30年ほど前に登られたというルートで平ヶ岳にチャレンジ。陛下は登山がお好きで皇太子時代多くの山に登られている。陛下が歩かれた登山道にはプリンスルートという名前が付けられているようである。

実は7年前に、鷹巣からテントを担いで登った経験がある。
http://chibira-tamy.blogspot.com/2012/10/day1_17.html
http://chibira-tamy.blogspot.com/2012/10/day2_19.html

テント泊のあと頂上を訪れ下山しようとしていた時に、朝9時前にもかかわらず大量の登山者が、続々と登ってきたのに驚いた記憶がある。彼らはプリンスルートを登ってきた登山者であることを後で知る。

今回は、以前のような体力もなく、そのプリンスルートでチャレンジすることになった。

平ヶ岳のプリンスルートは、中ノ岐林道で、1250m程度まで車で送ってもらい登るコースである。このコースを利用するには、銀山平の民宿に宿泊して、送迎サービスを受ける必要がある。

そのため銀山平の民宿樹湖里(きこり)に投宿。同行するグループが2組あり、夕食時に情報交換。大雨が降ると林道を横切る滝が増水し、通行ができなくなるそうである。

朝4時に出発する。3時に目が覚めたが、雨がまだじゃんじゃん降っている。
予報は晴れ。問題は、滝の水量。

不安になりつつも、出発の準備をして、弁当を受け取りバスの後ろにつく。
(御池から帰るルートのため、林道の入り口に車を置き、宿の車に乗り換える。)
道はカーブの連続で、前のバスのテールライトが、右に左に移動するのを見ていると気持ちが悪くなった。


林道入り口に駐車し、バスに乗り換える。
周りは真っ暗で何処を走っているのか全く見当もつかぬ。
林道は一部、舗装をされているがほとんどが未舗装。そのため、時々したたかに揺れる。
問題の滝に到着。水量が多く、道路を大量の水が横切っている。なんとか通れそうとのこと。
林道に入って、1時間。
やっと、駐車場に到着。すでにほかの宿の車が3台も到着して、多くの登山客でごった返している。50名はくだらない。トイレの前には長蛇の列。

あたりはまだ半分暗闇の中にある。
多少寒いが薄着で我慢して登り始める。
すぐに谷川を横切る。
ゴーゴーと水音がしている。水量が多い。
聞くとこの辺は、岩山のため湛水能力が低く雨が降ると川はすぐに増水し、すぐに減水するらしい。

橋を渡り終わるとすぐに厳しいのぼりが始まる。
急坂でしかも今朝までの雨で道がびちゃびちゃ。スリップを注意したが、意外にも摩擦係数が大きい土壌。
登山道してはあまりいいほうではない。ところどころ道が川になっている。

時々、木々の合間から、向かいの峰の様子が見える。上のほうが多少紅葉している程度でまだ本格的な全山真っ赤というような状況ではない。
木の下をひたすら登り続けること2時間、やっと勾配が緩くなり、木道に出くわす。林を抜けたので風が強くなってきた。寒い。
すぐに玉子石分岐に到着。

一気に視界が開ける。

途中の苦労が一気に吹き飛ぶ。まさに天空の天国。
一面の草紅葉。
ガスを冠ってはいるがおおらかな姿の平ヶ岳が正面に堂々と存在している。

取り急ぎ、平ヶ岳頂上を目指す。
一度、下って登り返す必要がある。

天気がどんどん良くなってきた。

緩い勾配の木道で歩きやすい。
平ヶ岳までには、ほとんど急な勾配がない。
やがて、右手の林のなかに頂上の標識を見つける。

恒例の行事の後、頂上前の広場にあるウッドデッキで、宿からもらったおにぎりをほうばる。
氷点下付近の気温ですでに冷え切っているが、すきっ腹にはおいしい。
強い北風が吹いている。
太陽が、さしてくる。途端に暖かく幸せな気分に陥る。

正面に燧ヶ岳が見えるはずだが、あいにく曇っている。
続々と後続の人が到着。
みんなそれぞれお弁当タイム。

帰りのバスの集合時間があるので早めに休憩を切り上げ、池の岳、玉子石をめぐって帰ってきた。

毎回感じる下りの長さ。
よくこんなにも登ってきたものだといつも感じる。

ゴールをすると宿の人が出迎えてくれて、その辺の林でとれたというキノコを使ったキノコ汁をふるまってくれた。

塩気が効いたうまみのあるキノコ汁だった。

宿のドライバーの人といろいろと雑談。
現天皇陛下が皇太子だったころ、(昭和60年ごろ?)クラウンでこのがたがた道を登って来られた。
運転手は、専属の運転手。
地元への負担を減らすために、トイレの新設は見送られた。
トイレをつかわないようにするため、節制をされたそうである。

全員無事に帰投。バスで林道をまた1時間かけて下る。
今度は完全に周囲の風景を堪能しながらのドライブ。

切り立った山肌から流れ落ちる滝の数々。
右を流れる中ノ岐川の豪快な流れ。
一枚岩の岩肌を滑り落ちる水の流れ。
十分に観光資源になりそうな風景であった。

国道まで降りると、バスのみんなに別れを告げて、御池、桧枝岐経由で茨城まで帰ってきた。

楽しい山旅であったが、紅葉がいまだしだったのが少し残念だった。

登山口に到着。5時半。あたりはまだ暗い。たくさんの人が登山準備に余念がない。

薄暗い峰を見上げる。上部はガスっている。昨夜の雨のせいか山肌を下る水量が多く感じる。

すぐに、谷川に差し掛かる。登山客がまだばらけていなくて、そこかしこで渋滞が発生。隊長は大森さん。

谷川には木製の橋が架かる。


このような急登を2時間も続ける必要がある。

ところどころ開けた場所から、平ヶ岳につながる稜線の山肌が見える。

玉子石分岐到着。草紅葉真っ盛り。玉子石は後から。

ガスに覆われた平ヶ岳山頂。一面の草紅葉。


平ヶ岳までは緩やかな木道が続く。

ところどころ池塘が存在。



背の低い笹に覆われた斜面もあり草紅葉と相まってパッチワークを形成してる。


平ヶ岳山頂。林に中の小さな広場に標識が立っている。

平ヶ岳山頂付近。この広々感。

最高地点付近。
ここから先には行けない(が踏み跡が延々と続いている。)

残念ながら、燧ケ岳方面は雲の中。

池ノ岳で休憩

池の岳から見る平ヶ岳。なだらかな丸い形をしている。美しいと思う。

池の岳に広がる湿原。


玉子石の隊長

これは滝の倉山か


道路を横切る滝の流れ



そこかしこにこのような滝が流れ落ちる。


ここが一番水量が多い滝。朝時点ではこれよりはるかに水量が多かった。
短時間で変化するらしい。

一枚岩と思われる滝床を流れ落ちている。
一枚岩はこの辺の名物らしい