昨夜のシシ神様の夫婦騒動で、就寝がおそくなったためか、目が覚めるとすでに明るくなっていた。虫の集中攻撃がいやだったので、朝ごはんはウィダーインジェリーとSoyJoyでテントの中で簡単に済ました。
今日のルートは、きわめて厳しい場所があると聞いていたので、2Lのペットボトルの水を小さなボトル2本(1L)に小分けし、残りは捨てた。
5:20に出発。
まずは、鋸山(1998m)へ約2km、標高差200m。数値から楽勝と思われたが・・。
鋸山への峠道取り付きがよくわからず、笹原で、いきなり藪漕ぎ。
この辺は、広い尾根になっており、一般にこういう場所は道を見失いやすい。
早朝のため、笹はたっぷり水滴をもっている。下半身完全にずぶぬれ状態。
しばらく右往左往したあと、きれいに刈り払われた道に出た。どうやら入り口を間違えたようである。
六林班峠は昔、群馬側から物資を運ぶ目的で開発されようとしていたという記事を読んだことがある。
確かに峠周辺には、その名残が残っている。
・峠には、2mくらい掘削された切通しが存在する。今は、荒れるに任されているが・・
・峠から足尾側に降りる道はしばらく2mくらいの幅がある。
・車の通行が容易になるように、きわめて忠実に等高線を追いかけるルートになっている。
ただし、下の庚申山荘の近くは、人が一人通れる程度の道幅しかない。
刈払いされた道のおかげで迷うことがなくなったが、道は小刻みに右に、左に、上に、下にと忙しい。道自体も決してよくなく思いのほか時間がかかる。
登るに従い、皇海山と鋸山がその雄姿を見せ始めてきた。
考えてみたら、昨日入山以来ほとんど眺望のない道を歩き通してきた。
こんなに眺望の利く場所にくるのは久しぶりという感じ。
遠くには燧ケ岳も望める。
日が昇り、直射日光が痛い。
鋸山到着。すでに1.5時間経過(6:50)
ここには以前栗原川から登ったことがあるが、本当に皇海山が目の前に堂々と起立している。
家に電話しようとトライしたが、NG。針は2本たっているが、つながらない。不思議。
ここからは、とんでもないルートが始まる。
背の低いコメツガの下を腰をかがめてしばらく歩く。
ふと左を見ると、とんでもなく切り立ったがけである。
そのすぐの際をあるいているのである。地震でもきたら・・・
突然、目の前に有名な長いはしごが現れる。
そこは孤立した岩山になっており、それを乗り越えるようである。
荷物が重いので、体をなるべくはしごに近づけ、一段一段慎重に登る。
登るとすぐに短いくだりはしご。
比較的簡単にクリアできたので、少し安心したら大間違い。
これから30分ばかり、緊張の汗の連続。
垂直に近いロープ(鎖)に頼った上り、30mほど、針金+トラロープ+鎖を束ねたものにつかまりながら急勾配を降下。
断崖のへつり。道の幅は20cm程度。下は絶壁。
あまりの難所続きに写真を取るのも忘れてしまった。
気が付くと、鋸山から300mの直線距離。なんと40分も経過していた。
気が付くと、サイドポケットに入れておいた虎の子のペットボトル(水)がなくなっている!
ショックの極み。のこりの0.5Lを少しずつ飲みながら歩くこととにする。
超難所をすぎるとむしろ単調な尾根道が延々と庚申山まで続く。
庚申山頂は正直期待はずれの風情。早々に下山の途についた。
途中は、さすが庚申山という風情の切り立った巨岩に圧倒され、急な道にびびりながらそろそろと降りてきた。
庚申山荘の水源と思しき谷あいで、やっと水の補給実施。
冷たい水を思い切りいただいた。おいしいこと。
猿田彦神社あとからは緩やかな道が続く。
そろそろ足にもきていた。
いやになるほど歩き、やっとかじか荘までやっと到着。
タクシーを呼ぼうとしたが、携帯が通じない!
かじか荘の受付の方にお願いして呼んでもらった。
本日出会った人
単独行x2。トレイルラン1組2名(一日で六林班まで回るとか。驚嘆!!)、庚申山行1組2名。
庚申山系は、水に恵まれた山である。
谷あいには、必ず水がながれており、なぜか心が癒される。
夏には来たくはないが、又来ても良い山である。
Day2のコース。六林班峠~鋸山~庚申山~銀山平(15km)。
鋸山への峠道。きれいに刈り払われている。どなたか奇特な方々の努力のおかげで迷わない。
鋸山への登頂途中、だんだんと皇海山の雄姿が見え始めた。左が皇海山、右が鋸山。
鋸山への登頂途中、六林班方面。地形図ではよくわからないが、このようなピークを何個か乗り越えなければいけない。途中道は悪い場所も多い。
鋸山頂上。六林班峠側は比較的緩やかだが、皇海山、庚申山側は、きわめて急峻なのぼりとなっている。
鋸山のすぐ東の垂直はしご。
とんでもないルートの一部。クリックして拡大するとわかるが、トラバースする鎖がある。足元は20cmの幅。その下は奈落の底。鎖の左には短いはしご。その上は30mほどの鎖の斜面。束にしたトラロープの一部がすり切れている。
振り返った鋸山。左ピークの手前のがけを降りてきたのである。
庚申山山頂。今までの苦しさを思うとがくっとくる位のピーク。
庚申山下の分岐。今日は疲労の限界のため、庚申山荘側に。
このような岩もくぐらなければいけない・・
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