2022.10.17
中国地方には、百名山は1峰しか存在しない。関東から遠隔のため、何かのついででない限りなかなか訪れることができない。
今回、中国地方への旅行をセットにして登ることに。問題は登山用具である。持ち歩きながら旅行をするわけにもいかず、事前に宅配便で送っておくことにした。
費用を削減するために、飛行機は前割を何か月も前から予約して臨んだ。ルートは、茨城から飛行機で神戸に向かいレンタカーで各地を旅行する途中で、伯耆大山に登山する計画とした。格安の早割のため、簡単には予約変更できないが茨城から神戸に行くのに6600円ほどで行けるメリットは大きい。天候は神頼みである。
2日前に、天気予報を確認。案の定、登山日のみ雨予想。前日確認、改善したが、それでも降雨確率は50%を超えている。当日朝に最終判断をすることにした。
大山の中腹のスキー宿に前泊。
当日朝8時、天気は今一つ。とりあえずビジターセンタ前の駐車場から出発。この時期、スキー客は当然おらず、あたりは閑散としている。大山寺、大神山神社の参道に点在する旅館にもあまり客は滞在していないようである。あいにく天候がはっきりせず、深い霧に覆われて8時というのにあたりは薄暗い。
石畳の参道をとぼとぼ、登り始める。旅館の玄関を開けている人に挨拶をするとご苦労様ですと返ってきた。
Mont-Bellのフレンド・ショップの前を右に曲がると県道の橋が現れ、渡ったところに登山者用のトイレがある。ここで入山届を出す。
県道を少し歩くと左に上がってゆく山道があり、ここから登山が始まる。ただし、本来の登山口はもう少し道路を進んだところにあるようである。
この辺りは、昔大規模な僧房などがあったようで、広大な緩やかな傾斜地に空き地が点在している。在りし日の規模が想像される。
登山道は極めて緩やかで、よく整備されている。脳が自然と平地を歩くような指令を出しているようで、歩行速度が速い。気が付くつと息が苦しくなっている。意識してゆっくり歩くようにする。
土留めの丸太を横たえた階段状の登山道が延々と続く。
道には、1合目ごとに看板が立てられている。
ラッキーなことに天候が快方に向かいつつあるようで、霧が晴れて、青空が覗くようになってきた。
登るに従い木々の背丈が低くなり、次第に下界の様子が、雲の切れ間から見え始めてきた。気が付くと、登山道も、普通の山と同じような急こう配になってきている。時々見える下界の風景の高度感が凄い。
6合目の避難小屋に到着。ここで小休止。ゼリーでエネルギー吸収。
登山道はますます急になり、あたりの木々の葉っぱも色づいている。。
行く手の左を見るとえぐり取られたような谷が見える。全体的に白い。行者谷と言うようである。道はさらに尾根に沿って続く。
木道が現れた。やっと勾配が緩くなり、息も楽になってきた。キャラボクの低木の上を木道が走る。
霧の向こうに避難小屋が現れた。弥山頂上はそのすぐ裏にある。
階段状の長いウッドベースが目に入ってきた。そこが頂上の広場である。弥山頂上(1709m)に到着。10時40分。登山口から2時間35分。頂上付近は崩壊防止のため、登山者に土を踏ませないようすべて木道になっている。
例によって記念撮影の後、昼食にしようとしたが、吹き曝しで、どうも寒くて仕方がない。頂上避難小屋に移動。小屋の中は、風をしのげて暖かい。
一人500円の登山協力金を支払うと、そこは売店になっており、カップラーメンとか販売している。ドリップコーヒーが500円。迷わず注文。
山の上で飲むコーヒーは格別である。コーヒーは紙コップで渡される。飲み終わると自分で下まで持ち帰る必要がある。
しばし休憩ののち、下山開始。登り返しが全くないので、気が楽である。のんびりと風景を楽しみながら下山をする。苦しい登りでは見過ごしていた様々な景色が次々と目に飛び込んでくる。
さすが、伯耆大山、後から後から続々と登ってくる大量の登山客とすれ違う。中には、飛び切り元気な大声の若者グループもいる。今日は月曜日、みんな休みを取ってきているのだ。
途中で、行者谷に降りる道に分岐すると途端にあたりは静寂の世界。道はいきなり急坂になり、一気に200mほどを下ると白い大きな岩がゴロゴロした大きな谷に降りてくる。行者谷というようだ。
白い谷を横切り、少し歩くと登山口に行きつく。ここには駐車できる小さなスペースがあり、車が1台駐車中。この登山口は、標高1000mにあり、麓よりも200m分楽できる。
ここからは比較的緩やかな登山道が、大神山神社まで続く。
延々と歩き、大神山神社(奥宮)の工事中の屋根が見えてくきた。神社の裏側が行者登山口になっている。
しかし、大神山神社の参道が長いのである。歩きやすいとは言えない石畳を散々歩いてやっと神社入り口到着。急に甘いものが欲しくなり、神社の門前にある喫茶店で、抹茶あずきアイスクリームを頂く。疲れた体に糖分が効くのかよくわからないがおいしかった。
ここからさらにだらだらとフラットな石畳の参道を歩いて駐車場に帰着。(13:50)6時間弱の伯耆大山登山行でした。
伯耆大山は、事前に想像していた通りの高度感のある素晴らしい山でした。
それにしても、このような山奥に、このような巨大な施設を建設していた古の日本人に畏敬の念を持ちました。(現在の大神山神社奥宮は1805年に再建されたものだという)
これで関西以西・以南の100名山は完了!
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大神山神社、大山寺の立派な石畳参道を歩き始める。 |
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参道の両側には食堂、立ち寄り温泉、旅館などが点在。 |
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橋を渡る。 |
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大山寺橋というらしい。 |
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トイレの横に入山届ポスト。ここにも広大な駐車場がある。 |
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登山道が緩やかに始まる。 |
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かつては両側に僧房などが点在していたようである。 |
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まさに神社の境内の雰囲気の登山道 |
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このように礎石のみが残された社の跡地もある。 |
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美しいブナ林の中を緩やかに登って行く。 |
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ラッキーなことに晴れ間が現れてきた。 |
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木々の紅葉が進み始めているようである。 |
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6合目の避難小屋に到着。こじんまりとしているが内部はきれい。内部に携帯トイレのブースあり。 |
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大分晴れてきた。鳥取平野もかすかに遠望できる。 |
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弥山の北側は鋭く落ち込む。斜面は雪のように白い。 |
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分岐に到着。この辺は、木道で道の勾配も少ない。 |
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サワフタギのブルーが印象深い。英語名がsapphire berryだそうである。 |
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頂上付近は緩やかな木道が続く。 |
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木道を進んでゆくと避難小屋が霧の向こうから現れた。 |
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弥山頂上到着!!広いウッドベースになっている。 |
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記念撮影 |
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頂上のすぐ下には避難小屋。 |
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避難小屋内部は清潔で広い。宿泊しても無料(?) |
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売店併設。ドリップコーヒー500円。おいしかった!! |
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頂上付近は10℃。火照った体では寒くないが、風に吹かれると寒い。 |
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昼食後、下山開始。続々と登山者が登ってくる。 |
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頂上付近はくさもみじ。南側は切れ落ちている。 |
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キャラボクは緑のまま。その間を木道が走る。 |
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木道はかろうじてすれ違いが可能。 |
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時々、見せてくれる下界の風景。高度感抜群。 |
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振り返る弥山頂上。北側(左)は鋭く切れ落ちている。左奥に続く縦走路は崩壊のため閉鎖されている。 |
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高度感抜群! 飛行機に乗っているよう! |
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北側の宝珠山。谷筋は雪が積もったように白い。 |
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下の方も色づき始めている。 |
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下る尾根は、完全に紅葉。登山者が次々と登ってくる。 |
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これはブナ系か? |
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黄色の紅葉も強烈な色を放っている |
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行者谷分れ到着。ここで右に折れる。 |
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こちらの道は、急で狭い。 |
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行者谷に降りてきた。 |
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駐車可能なスペースがある登山口。標高1000m。 |
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大神山神社に近づくと巨大な杉が点在する。周囲10mはありそうな。 |
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阿修羅のような雰囲気の巨大杉 |
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行者登山口 |
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登山口は、大神山神社奥宮の裏手にある。 |
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立派な大神山神社奥宮の本殿。お賽銭をあげて参拝。 関東の神社と雰囲気が完全に異なる。 それにしても、こんな山奥に巨大な神社が・・・
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幅広い参道と立派な山門 |
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これは大山寺山門。上の方で登山者は通り抜けお断りとあったので、山門から参拝。 |
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門前のお茶屋で休憩。抹茶小豆アイスクリーム。 |
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出雲に移動し日本海に面したホテル滞在。日本海は穏やか・・・と思っていたが翌日は、北風になり表情が一変。 |