2018年10月22日月曜日

すっかり冬景色の鳳凰”二山”(2018.10.21)

2018.10.21

雷雨予報にもひるまず南アルプス薬師岳と観音岳に登ってきた。
毎回のことだが、事前の地図上のシミュレーションより現実がはるかに厳しいということに気が付く。前回あれだけ苦労したことをもう忘れている。

アルプスらしい風景を望める地点まで、森の中を5時間も6時間も歩く必要がある。
その距離の長いこと長いこと。

今回は、結露問題を避けるため、5年間で一回しか使っていない(いつもは、600g軽いモンベルのツェルトの軽量タイプを利用する)テントを担いで登ることとした。

夜叉神駐車場から観音岳へ、1500mの標高差、往復20kmの道のりを二日で歩く長い長~い登山でした。

初日は朝5時前に横浜の自宅を出発。真っ暗だが、車は多数。トラックも多い。
みなさん朝早くからご苦労様という感じで高速のトラックの列についてドライブ。

それでも、2時間足らずで南アルプスの玄関口、夜叉神のトンネルの手前にある駐車場に到着。100台ほど駐車可能な大きなものである。この時期、一般車はこれより進入禁止。
すでにたくさんの車が駐車中。

駐車場わきのトイレで用を足して出発(7:00)。

道路際の登山口(1376m)から、一定の勾配でず~っと夜叉神峠(1761m)まで続く。勾配がきつくないので重い荷物をしょってもそれなりに歩ける。

夜叉神峠から少し登ると夜叉神峠小屋があり、ここでいきなり白根三山とご対面。
壮大な風景で、結構感動的である。
北岳はすでに雪化粧である。

一旦下って、厳しいのぼりが始まる。厳しいのぼりは意外に短く、それから杖立峠まできつくないがいやになるほど単調な一本調子の登り道が延々と続く。
しかもず~っと森の中。
地図を見ると登りで2時間下りで1時間とある。きっと効率が悪い山道である。
結局杖立峠400mの標高差を約2時間かかった。

杖立峠からいったん下ってまた同じような勾配ののぼりが苺平まで、また2時間続く。
悪いことに、天気が悪くなりあられが降り出した。こういう時こそ天気予報通りである。ここも400m位登る。

苺平まで到着するとようやく下りになり、南御室小屋に到着。(12:30)
あられがぱらぱら降る中を急いでテント張り。
ホッとして中で横になると、本格的にテントがパラパラと鳴り出した。
気温もテント内で2度。

シュラフをかぶって昼寝をして目を覚ますとすっかり雪景色。
早めに就寝。となりで盛んにがさがさやっているが、いつの間にか静かになった。
そのうちテントにあたるあられの音もしなくなった。

真夜中にトイレに起きるとまさに満点の星空である。

翌日朝6時前に出発。
薬師岳、観音岳を往復して10時までに帰ってくる行程。

登るに従い雪が厚くなる。

登り始めて約1時間、大きな岩がゴロゴロし始めた頃、やっと見えました北岳とそれにつながる山脈。朝日を浴びて実に大きく堂々としている。

森林限界を完全に超えた。

加えて、次から次へと見覚えのある山々が目に飛び込んでくる。

このために苦しいのを登っているのを自覚する。

観音岳から地蔵岳は時間の都合で断念。

帰りは、いつものことだが、よくも登ってきたもんだと感じながら、長い長い道のりを踏破した。

約1時間で夜叉神峠到着

葉の落ちた気には苔が生している

夜叉神小屋の前からは雄大な北岳、間ノ岳

夜叉神小屋。営業中。

木々の間からは大崖頭山。ずいぶんと遠い・・・

杖立て峠。趣のあるとは言えない道標。

このルートでは珍しい白樺林。


カラマツの木の向こうの北岳。曇ってきた。

やっと到着したテント場。雪が降ってきた。寒い・・・

翌朝の北岳。2700m位でやっと見えた。

薬師岳手前。大きな岩がゴロゴロしてきた。

北岳が・・

間ノ岳・・


薬師岳手前の岩のピーク

逆光の富士山と甲府の市街

甲府市街がはるか下に遠望


薬師岳小屋。真新しい!

小屋から見る薬師岳。すぐそこある。

頂上はフラットになっている。



薬師岳頂上。意外に広い。


これが次に行く観音岳。少し高い。30分かかる。


薬師岳頂上の標識



八ヶ岳!

雪をまとう観音岳。

芸術作品のような枯れ木のオブジェ

最終目的ピーク観音岳



鳳凰三山最高峰観音岳に到着。

これは地蔵岳。オベリスクが特徴的


地蔵岳に向かう登山客が多数。背景は赤岳

観音岳頂上から見る北岳

観音岳頂上には祠がない!

北岳をバックに証拠写真


テント場に戻ったがまだ雪が解けてない。撤収!

南御室小屋。あまり大きくない。水がおいしい。缶ビール600円。


夜叉神小屋まで帰ってきた。今日は晴天で雪が解けてしまった。




2018年8月18日土曜日

富士山、外人さんとごみがいっぱい(2018年8月16日)

2018.08.16

永年、富士山は登る山ではなく見る山であるとの信念を持っていた。
特に、新幹線の富士川鉄橋あたりから見る富士山は、長く裾を引く姿は涙が出そうになるくらい好きである。

ところが、いろいろ故あり、富士登山をしてきた。
その結果は天候の悪さも相まって、長年の信念は変わらなかった。



今回は、アクセス、費用の観点から、ツアーに申し込んだ。
横浜駅に朝6時集合で、いったん新宿に向かう。
この時点ですでに、30人程度。

西新宿のセンタービル前が集合場所である。
すでにたくさんの登山客が群れている。とんでもない数である。
ガイドさんが、センタービルのエリアには入らないでくれと必死で訴える。
しかし、バスを待つ間に、沢山の登山客が歩道にあふれ、やっぱり警備員さんに叱られてしまった。

ずいぶんの人気ぶりである。

3台目のバスに乗せられた。
40人超のツアーグループである。
自分のようにガイドをお願いしないフリーツアー客は内約10人。

とりあえず定刻に、出発し、定刻と思われる時間くらいにスバルライン5合目に到着。

ところが、バスを降りた途端、想定外の事態に遭遇。
風が20m/s以上で吹き荒れており、むちゃくちゃ寒いのである。

フリーの客は解放されて、とりあえず登山道を歩み始める。
あたりは雲で覆われている。
三日月形の山中湖が心なしかぼんやりと見える。

ゆるやかな道を2km程度歩くと、6合目の安全指導センタに到着。
風が一段と強くなってきた。
幸いにも雨はまだだ。

道が本格的な山道になってきた。
同時に雨が本格的に降ってきた。

道がジグザグで、砂止めの壁が続く。
壁際を歩くと風よけになる。

時々、四足で踏ん張る必要があるほどの突風がくる。
これほど悲壮な雨のぼりは昨年の立山以来である。

http://chibira-tamy.blogspot.com/2017/09/blog-post.html


今回の違うところは、雨に砂粒が混じっていること。
顔を拭くと黒いものが混じる。

どれだけジグザグを繰り返しただろうか、やっと7合目の山小屋が見えてきた。
今日の目的地は、8合目の富士山ホテル。

岩だらけの登山道になった。
なめらかな岩肌だが濡れていても滑らない。
きついところは渋滞になる。
ヘロヘロになり始めているので助かる。

それにしても外人さんが多い。
日本語はほとんど聞こえてこない。
京都の嵐山並みである。
国籍では、たぶん中国が断トツであろう。

いやになり始めたころ、立派なトイレが目に入った。
気が付くとそこの脇が本日の目的地の富士山ホテルだった。

小屋につくと、タオルを渡され、カッパとザックカバーを拭き、渡されたビニール袋に入れるように指示される。これを寝床の頭上のフックにかけるのである。

寝床は、70cmくらいである。3年ほどの前の夏に泊まった北岳の肩の小屋約30cmよりましである。なんとかねられそう。
すぐに夕食に案内される。カレーライスにウィンナーソーセージが3個、小さ目のハンバーグが一個。それに300㏄の水が付く。質素な夕食である。一緒に明日の朝ごはんを渡される。

消灯時間の8時のはるか前に全員就寝。ガイドツアーの仲間は、いつついたかはわからず。

深い眠りにはつけずに頻繁に時計を見た。
2時になった。
ばらばらと人が動き始める。

頭が重いのが気になるが、ここまで来たのでと頑張ることにした。
幸いにも、雨は降っていない。
雲のあいだから富士吉田の町の灯が見え隠れする。

沢山の人(外人さん)がヘッドランプをつけて行列をなしている。
小屋の前も大渋滞。
あまりの多さにギクッとするがすぐになれる。

やはり、3000mを超えると息が苦しい。
400m程度の高低差だと軽く考えていたが、想定以上の時間がかかってしまう。

3時間ついやしてやっと頂上。

絵に見るご来光のイメージではないが、雲の向こうが赤くなり期待を持たせられたが、
日の出る方向はそっちでは無かった。

頂上は、強風が吹きすさぶ。時折、砂交じりの風が顔にぶち当たる。
口、目に入り気分が悪い。

驚いたことに頂上はどこかの観光地の雰囲気。
ペットボトル、割りばし、空き缶などが散乱している。

今までに見たことのない”山頂”の趣である。
正直がっかりであった。

剣ヶ峰を目指そうと思ったが、体が吹き飛ばされそうな強風。
それに砂の飛礫。

あきらめて、早々に下山を開始した。
このころには完全に晴れてきた。快晴である。
昨日と打って変わり、素晴らしい下界の風景である。

それにしても、下山用のルートの九十九折の長いこと。
日が照り十分に暑い。しかし、吹き抜ける風がそれを十分に補って余りある。
この登山は、ほとんど林間がないのである。

長い長い時間をかけて下ってきた。
たぶん、富士山に二度目に登ることはないであろう....

西新宿の集合場所。
歩道を占拠し、センタービルの警備員に叱られてしまった。

バスから見た今日の富士山。天気予報通りやばそうな雰囲気

スバルライン5合目。下界の服装をした観光客に冷たい強風が吹きすさぶ。



土産店の前は海外からの観光客でごった返す。

登山口の案内看板。たくさんの山小屋の位置が記されている。


スバルライン終点からしばらく緩やかな林道を歩く。
このころは、まだ雨はない。

山中湖が雲の下に

これは、富士吉田の町並

これは河口湖方面

5合目安全指導センターに到着

ここから本格的な登り。頂上まで5km以上。


砂止めの柵が九十九折に続く。風が強いと柵に身を寄せる。

雨が近づいてきた。
昨年に懲りて、カメラを大判のZipLockに仕舞い込んで撮影中止。




朝焼けが始まったが、この方向では日は登らない・・・



振り返るとヘッドランプの列が延々と続く

だいぶ明るくなってきた






浅間大社奥ノ院に到着
ご来光を待ち望む登山客

頂上広場はごった返す。



おびただしい人が続々と・・・



こちらがご来光の方向。雲が厚い!!

ご本堂。人がごった返しており、参拝もままならない。




何語かわからない言葉で標柱の周りで叫んでいる

残念ながら雲が厚い。

下山開始。
今朝は暗くてわからなかったが、このような急こう配を折れ曲がりながら
頂上直下を目指して登ってゆく。



8合目の山小屋が見えてきた。


急峻な斜面の背景に、遠く八ヶ岳が見えてきた。



鳥居が9合目。その向こうに頂上の神社が見える。

下界はだんだん雲が取れてきた

本八合の分岐に到着。


壮大な風景。ミクロにみると場所場所で個性が違う。





登りの吉田登山道方面。山小屋が点在する。道は岩の上を続く。

沢山の登山客がブル道を下りてくる。




荷物運びのブルがやってきた。
そこのけそこのけ・・・

よく見るとスイッチバックで登って行く。
この方が、ターンの時に路面が痛まない。




やっと帰着(9時10分)。

帰り際河口湖から望む富士。雲一つない!